欧州中央銀行(ECB)は17日、今年3回目の利下げに踏み切った。インフレの急速な後退により低迷する域内経済を支えることが可能になったと判断、2会合連続の利下げを決めた。
ECBは中銀預金金利を0.25ポイント引き下げ、3.25%とした。ブルームバーグの調査に答えたアナリスト全員の予想通りだった。
ECBはインフレ低下のプロセスは「順調に進んでいる」とし、インフレ率は来年中に目標値の2%に低下するとの見通しを示した。
金利が今後いつ、どの程度引き下げられるかについてのヒントは示さなかった。
ECBは声明で、物価安定の「目的を達成するために必要な限り、政策金利を十分に景気抑制的な水準に維持する」と表明。「政策委員会は、景気抑制の適切な水準と期間を決定するために、引き続きデータ依存かつ会合ごとのアプローチを取る」と説明した。
ECBは経済の足かせを外すペースを速めた。ユーロ圏のインフレ率は2021年以降で初めて2%を下回り、民間部門の経済活動は低迷。これまで堅調だった雇用市場にもひびが入りつつある。
ブルームバーグが調査したエコノミストは、来年3月までのすべての会合で利下げが行われる可能性が高いという短期金融市場の見方に同意している。その後は緩和ペースが鈍化し、預金金利は2025年末までに2%に引き下げられるとみられている。
原題:ECB Cuts Rates for Third Time to Prop Up Weakening Economy