衆議院選挙は小選挙区と比例代表をあわせた465議席の配分が決まりました。自民・公明両党は、自民党が191議席、公明党が24議席の215議席で、過半数の233議席を下回りました。与党が過半数を割り込むのは民主党政権が誕生した15年前の2009年以来となります。
ただ、今後、自民党から公認されなかった無所属候補が当選した場合に執行部が追加で公認を出す可能性があります。
一方、立憲民主党は選挙前の98議席から大幅に増やし、148議席でした。
【全議席確定】各党の獲得議席 自民・公明は過半数割れ
衆議院選挙は小選挙区と比例代表をあわせた465議席の配分が決まりました。
▽自民党:191議席(小選挙区132議席、比例代表59議席)
▽立憲民主党:148議席(小選挙区104議席、比例代表44議席)
▽日本維新の会:38議席(小選挙区23議席、比例代表15議席)
▽国民民主党:28議席(小選挙区11議席、比例代表17議席)
▽公明党:24議席(小選挙区4議席、比例代表20議席)
▽れいわ新選組:9議席(比例代表9議席)
▽共産党:8議席(小選挙区1議席、比例代表7議席)
▽参政党:3議席(比例代表3議席)
▽日本保守党:3議席(小選挙区1議席、比例代表2議席)
▽社民党:1議席(小選挙区1議席)
▽無所属:小選挙区で12人が当選
この結果、自民・公明両党で215議席で、目標としていた過半数の233議席を下回りました。与党が過半数を下回るのは民主党政権が誕生した15年前の2009年以来です。また、自民党単独でも選挙前の247議席から50議席以上、減らしました。
自民党の森山幹事長は、党本部で記者団に対し「自民・公明両党で過半数を目標に努力してきたが達成できなかったことは大変申し訳なく思っている」と述べました。その上で、みずからの進退については「大変難しい時期でもあり、できるだけ国政が混乱することなく、補正予算案や来年度予算案の編成に向けて微力を尽くしていきたい」と述べ、辞任しない考えを示しました。
一方、今回の選挙で無所属で立候補し、当選した候補者の追加公認について「すべて結果が出しだい、いろいろと考えていきたい。当選した人の意向も十分聞かせてもらってということになると思う」と述べました。
公明党は8議席減らした上、9月の党大会で山口前代表の後任として就任したばかりの石井代表が落選しました。山口氏は、党本部で記者団に対し「党を立て直し、新しい体制を作っていかざるをえない」と述べました。
一方、野党第1党の立憲民主党は、選挙前の98議席から50議席伸ばし、野田代表は「与党の過半数割れが目標だったので、達成できたことは大きな成果だ」と述べました。また特別国会への対応をめぐり「自公政権の存続を望んでない人たちや、先の臨時国会で、ともに内閣不信任決議案を出した政党とは、あすからでも『誠意ある対話』を始めたい」と述べました。
▽日本維新の会は、6議席減らしました。
▽国民民主党は、選挙前の4倍の議席を確保しました。
▽れいわ新撰組は選挙前の3倍の議席を確保しました。
▽共産党は、2議席減らしました。
▽参政党は、2議席増えました。
▽日本保守党は、初めて議席を確保しました。
石破首相 政権継続へ他党への協力要請する方針
石破総理大臣は、政権を継続するため、政策で一致できる党への協力を要請する方針です。
一方、立憲民主党は議席を大幅に増やし、特別国会で行われる総理大臣指名選挙に向けて、ほかの野党との連携を模索することにしています。
【詳しくはこちら】石破首相 政権継続へ野党に協力要請方針 立民は野党連携模索へ
女性議員の当選は73人 現制度で最多に
今回の衆議院選挙で当選した465人のうち、女性は73人で、前回・3年前の衆議院選挙より28人増え、今の制度になってから最も多くなりました。
【政党別】
▽自民党:19人
▽立憲民主党:30人
▽日本維新の会:4人
▽公明党:4人
▽共産党:3人
▽国民民主党:6人
▽れいわ新選組:4人
▽参政党:2人
▽日本保守党:1人
今回の選挙には、今の制度になってから最も多い314人の女性が立候補していました。
【最新データ】各党獲得議席・各選挙区の開票状況はこちら
【NHKプラスで見逃し配信】衆院選 開票速報番組
==開票状況・各党反応==
与党が過半数を下回る 自民は追加公認の可能性も
今回の選挙で、自民・公明両党は、目標としていた過半数の233議席を下回ることになりました。与党が過半数を割り込むのは民主党政権が誕生した15年前の2009年以来となります。
ただ、今後、自民党から公認されなかった無所属候補が当選した場合に執行部が追加で公認を出す可能性があります。
国民 比例代表の名簿不足で3議席が他党へ
国民民主党は、比例代表の北関東ブロックで2議席、東海ブロックで3議席をそれぞれ獲得できる票を得ましたが、名簿に登載された複数の候補者が重複立候補した小選挙区で当選し名簿から削除されました。
このため、国民民主党が得るはずだった北関東ブロックの1議席は公明党が、東海ブロックの2議席は立憲民主党と自民党が獲得しました。
【不記載議員】落選・落選確実28人 当選・当確18人
今回の衆議院選挙では、政治資金収支報告書に不記載があり、自民党から非公認となるなどして無所属で臨んだり、公認を得ても比例代表への重複立候補が認められなかった候補は、あわせて46人いました。
このうち、東京11区の下村博文氏や、福井2区の高木毅氏のほか、福岡11区の武田良太氏、東京7区の丸川珠代氏、宮城3区の西村明宏氏ら28人が落選や落選確実となっています。
一方、東京24区の萩生田光一氏や、兵庫9区の西村康稔氏のほか、千葉3区の松野博一氏、福井1区の稲田朋美氏、自民党を離党した和歌山2区の世耕弘成氏ら18人が当選または当選確実となっています。
【詳しくはこちら】自民党 収支報告書の不記載議員 有権者の判断は?
4:00すぎ
◆保守 百田代表「悔しさ 悲しさ大きいが大きな躍進」
日本保守党の百田代表は、28日午前4時すぎ、東京都内で記者会見し「これまでは議席がゼロだったが、一気に3になった。負けた人の方が多いので、悔しさと悲しさのほうが大きいが、大きな躍進だ。国会で戦う武器を得た感じだ」と述べました。
全国の推定投票率 53.84%前後の見込み
27日に投票が行われた衆議院選挙の推定投票率は、53.84%前後になる見込みです。NHKのまとめによりますと、今回の衆議院選挙の推定投票率は、26日までに期日前投票を行った2095万5435人の分も含めて、全国で53.84%前後になる見込みです。前回・3年前の衆議院選挙の投票率は、戦後3番目に低い55.93%でした。
1:30すぎ
◇自民 森山幹事長 追加公認「いろいろ考えていきたい」
自民党の森山幹事長は、28日午前1時半すぎ、党本部で記者団に対し「自民・公明両党で過半数を目標にして努力してきたが、目標を達成することができなかったことは大変申し訳なく思っている」と述べました。その上で、みずからの進退について問われたのに対し「大変難しい時期でもあり、できるだけ国政が混乱をすることなく、補正予算案や来年度予算案の編成に向けて微力を尽くしていきたい」と述べ、辞任しない考えを示しました。
一方、今回の選挙で無所属で立候補し、当選した候補者の追加公認について「すべて結果が出しだい、いろいろと考えていきたい。当選した方の意向も十分聞かせていただいてということになると思う」と述べました。
1:30すぎ
◇公明 山口常任顧問「新体制を作っていかざるをえない」
公明党の山口・常任顧問は、28日午前1時半すぎ、党本部で記者団に対し、石井代表が落選したことについて「党を立て直し、新しい体制を作っていかざるをえない」と述べました。その上で、記者団から「代表を交代すべきということか」と問われたのに対し「落選してしまったので、どうするかは、最終結果を見極めながらだ」と述べました。
また、自民・公明両党が過半数の議席を下回ることになったことについて「次の政権をどうしていくか、日本の政治が混乱しないように懸命に対応していくことが大事だ。その点では、与党も野党もないと思う」と述べました。
1:30ごろ
- 注目
◆立民 野田代表「与党の過半数割れ達成は大きな成果」
立憲民主党の野田代表は、28日午前1時半ごろから党本部で記者会見し「与党の過半数割れが目標だったので、達成できたことは大きな成果だ」と述べました。その上で「裏金問題について厳しくただしていったのが、功を奏したのではないか。自民党側の失敗でもあるが、野党第1党として先頭に立って『本当の政治改革をやってほしい』という思いを結集できた」と述べました。
また「『裏金を許してはいけない』と訴えを行った。自民党が、非公認とした候補者が代表を務める政党支部に2000万円を支給していた話まで出てきたので一点強行突破的な選挙だった。自民党の自滅的な要素が強かった」と述べました。
さらに特別国会への対応をめぐり「自公政権の存続を望んでない人たちや、先の臨時国会で、ともに内閣不信任決議案を出した政党とは、あすからでも『誠意ある対話』を始めたい」と述べました。
また、野田氏は、連合の芳野会長と28日に面会することを明らかにし「国民民主党との仲立ちを含め、いろいろとお願いしたい。特別国会までの短期間で、基本政策のコンセサスを得ることは難しく、現段階で一致できるものはないか、話し合いを続けたい」と述べました。
1:30ごろ
石破首相 党本部を離れる
石破総理大臣は、28日午前1時半ごろ、自民党の開票センターが設けられた党本部を離れました。
1:30ごろ
公明 石井代表 無言で党本部出る
公明党の石井代表は、28日午前1時半ごろ、党本部を出ました。その際、記者団から自身の落選が確実となったことについて問われましたが、何も答えずに車に乗り込みました。
1:30すぎ
◆参政 神谷代表「議席増 非常に大きな快挙」
参政党の神谷代表は、28日午前1時半すぎから、東京 港区の党本部で記者会見し「外資や外国人労働者の受け入れに抑制をかけようというところが保守的な考えを持つ方々に刺さったかと思う。改選前の1議席から増やすことができ、小さな党としては非常に大きな快挙だ」と述べました。
0:30すぎ
◆国民 玉木代表 “自公から連立参加の打診受けてない”
国民民主党の玉木代表は28日午前0時すぎから東京都内で開いた記者会見で、自民・公明両党から連立政権への参加の打診は受けていないとした上で「どこかに加わるというよりも、選挙で訴えた『手取りを増やす経済政策』の実現に向けて、協力できるところとは協力する。政府や与党にも求めていく」と述べました。そして「どの党も過半数を取らない状況になれば、各党のさまざまな意見を聞いて物事を決めていく新しい政策決定のルールが必要だ」と述べました。
0:30ごろ
◆維新 幹部“焦らず 自民・立民の出方を見定める”
日本維新の会の幹部は、28日午前0時半ごろ、NHKの取材に対し「自民党が、非公認とした候補者が代表を務める政党支部にも2000万円を支給したことで流れが完全に変わった」と述べました。
その上で「党としては、焦って自民党や立憲民主党にすり寄る必要はまったくないと思っており、それぞれの出方を見定めながら対応を考えていく」と述べました。
経団連 十倉会長「国民が厳しい判断を下したと認識」
経団連の十倉会長は「政治資金をめぐる問題に対し、国民が厳しい判断を下したと認識しており、真摯に受け止めるべきである。他方、日本経済は待ったなしのさまざまな重要課題に直面している。自民党・公明党を中心とする安定的な政治の態勢を構築し、政策本位の政治が進められることを強く期待する」というコメントを出しました。
その上で「成長と分配の好循環を通じた経済成長の実現、原子力の最大限の活用をはじめとするエネルギー政策の推進、公正・公平で持続可能な全世代型社会保障の構築、賃金引き上げのモメンタムの維持・強化に向けた環境整備、地域経済の活性化、国際経済秩序の維持・強化といった重要政策課題について、政治がリーダーシップを発揮し、迅速に取り組んでいただきたい」としています。
海外メディアも与党の過半数割れ確実を速報
海外メディアもNHKの報道を引用し、相次いで速報で伝えています。
▼ロイター通信は「自民党と公明党の連立政権は過半数割れが確実」と伝えました。
▼中国国営の新華社通信は「自民党と公明党の連立政権は過半数の議席を得られず」と伝えました。
▼韓国の通信社、連合ニュースは「日本の与党の議席が過半数を下回るのは2009年以来初めて」と伝えました。
▼ロイター通信は「最大の勝者は野党第一党の立憲民主党で、議席数を大きく伸ばした。有権者は政治資金のスキャンダルやインフレをめぐり石破総理大臣の自民党に罰を与えた」と伝えました。また「次の政権の枠組みや世界第4位の経済大国の見通しに不透明感が高まっている」とか「日本が経済的な逆風と東アジアでの緊迫した安全保障の状況に直面するなか、政治的な不安定を招く可能性がある」と伝えています。
▼AP通信も「選挙の結果は政治資金のスキャンダルに対する有権者の怒りを反映している」と伝えています。
▼イギリスの公共放送BBCは石破総理大臣の「自民党は有権者から厳しい審判をいただいている」という発言を伝えました。BBCは特派員が開票所から中継を行うなどして伝えていました。
【愛知8区】自民 伊藤忠彦復興相 比例で復活確実
自民党の伊藤忠彦 復興大臣は、小選挙区の愛知8区では議席を確保できませんでしたが、比例代表の東海ブロックで6回目の当選が確実になりました。
伊藤氏は60歳。愛知県議会議員を2期務めたあと、2005年の衆議院選挙で初当選し、これまでに総務政務官や環境副大臣などを歴任しました。そして10月に発足した石破内閣で、復興大臣として初入閣を果たし、今回の選挙戦に臨みました。伊藤氏は、これまでの実績をアピールするとともに、復興の取り組みに全力を尽くすことなどを訴えました。小選挙区の愛知8区では議席を確保できませんでしたが、重複立候補した比例代表の東海ブロックでは自民党の名簿順位1位の中では、惜敗率が高く6回目の当選を確実にしました。
【埼玉5区】自民 牧原法相 比例復活ならず落選確実
自民党の牧原秀樹・法務大臣は小選挙区の埼玉5区で敗れ、重複立候補した比例代表の北関東ブロックでも惜敗率で及ばず、落選が確実になりました。
牧原氏は53歳。弁護士で、経済産業省の職員を経て、2005年の衆議院選挙で初当選し、これまでに厚生労働副大臣や経済産業副大臣を務め、石破内閣で法務大臣として初めて入閣しました。選挙戦では、閣僚となった知名度に加え、古い政治の変革を訴えるなど政治改革に取り組む姿勢をアピールしましたが小選挙区の埼玉5区で立憲民主党の枝野幸男・元代表に敗れました。また、重複立候補した比例代表の北関東ブロックでも惜敗率で及ばず、落選が確実になり現職大臣として議席を守れませんでした。
【東京17区】無所属 平沢元復興相の当選確実
東京17区は、無所属の前議員で元復興大臣の平沢勝栄氏の10回目の当選が確実になりました。
平沢氏は79歳。1996年の衆議院選挙で初当選し、自民党の広報本部長や、復興大臣を務めました。大学生の頃、当時、小学生だった安倍元総理大臣の家庭教師をしていたことでも知られています。平沢氏は収支報告書への不記載で、自民党から1年間の「党の役職停止」の処分を受け、今回の選挙には党の公認を得られず、無所属で立候補しました。選挙戦では、政治不信を招いたことを謝罪し、再発防止に取り組む姿勢を示すとともに、所得の増加や持続可能な社会保障制度の実現などを訴え、自民党や公明党の支持層を固めるなどし、10回目の当選を確実にしました。
【東京1区】立民 海江田万里氏が当確 自民 山田氏は落選確実
東京1区は、立憲民主党の前議員、海江田万里さんの9回目の当選が確実になりました。
自民党の前議員で、公明党が推薦する、山田美樹氏の落選が確実になりました。山田氏は50歳。経済産業省の職員などを経て2012年の衆議院選挙で初当選し、これまでに環境副大臣などを務めました。山田氏は収支報告書への不記載があり、今回の選挙で比例代表への重複立候補が認められませんでしたが、自民党の公認は得て戦いました。選挙戦で政治とカネの問題への反省を踏まえ、政治改革に全力を挙げる姿勢を示すとともに子育て支援や教育施策などの充実を図っていくとアピールし支持を呼びかけましたが及ばず、落選が確実になりました。
【鹿児島3区】小里農相が比例復活ならず落選確実
自民党の前議員で公明党の推薦を受けた小里泰弘・農林水産大臣は小選挙区の鹿児島3区で敗れ、重複立候補した比例代表の九州ブロックでも惜敗率で及ばず落選が確実になりました。
小里氏は66歳。2005年の衆議院選挙で初当選し、これまでに総理大臣補佐官などを務め、石破内閣で農林水産大臣に起用されました。選挙戦で小里氏は、地方の農林水産業の持続的な発展や地域経済の活性化などを訴え、7回目の当選を目指しましたが、選挙区で敗れ、重複立候補した比例代表の九州ブロックでも惜敗率で及ばず、落選が確実になりました。
【埼玉14区】公明 石井啓一代表の落選確実
埼玉14区で公明党の石井啓一・代表の落選が確実になりました。
石井氏は66歳。旧建設省の職員を経て1993年の衆議院選挙で初当選しました。これまでに国土交通大臣や、党の政務調査会長、幹事長などを歴任し、9月、党の新しい代表に就任しました。選挙戦では、自民党の政治とカネの問題を受けた徹底した政治改革や、物価高対策などを訴え、11回目の当選を目指しましたが小選挙区で敗れ、比例代表で重複立候補もしていないことから落選が確実になりました。
公明党の現職の代表が落選するのは、2009年の衆議院選挙で、当時の太田代表が落選して以来となります。
公明 大阪の4つの小選挙区 すべて失うこと確実
公明党は大阪で確保していた4つの小選挙区すべてで議席を失うことが確実になりました。
◆共産 田村委員長 “野党連携は公約実現が大きな基準”
共産党の田村委員長は27日午後11時半すぎから党本部で記者会見し、自民・公明両党が過半数割れした場合にほかの野党と連携するかどうかについて「大きな政党から話があって話が進むということがあると思う。掲げた公約を実現するため何が一番大切なのかを大きな基準として行動したい」と述べました。
一方、大半の選挙区で野党候補が一本化されなかった影響を問われ「政策的な協議がない中で全国的な野党共闘は不可能だったが、それぞれが自民党を追い詰めた。共産党の候補者が小選挙区にいたからこそ、自民党が非公認とした候補者が代表を務める政党支部にも2000万が振り込まれたことへの怒りの世論を広げることができた」と述べました。
【大阪6区】公明 伊佐進一氏の落選確実
大阪6区は公明党の前議員で自民党の推薦を受けた伊佐進一氏の落選が確実になりました。伊佐氏は49歳。2012年の衆議院選挙に立候補して初当選し、これまでに厚生労働副大臣などを務めました。大阪6区には、日本維新の会が、初めて候補を擁立し、立憲民主党や共産党などの候補を交えて、5人による激しい選挙戦となりました。伊佐氏は自公政権の実績をアピールするとともに、経済や社会保障政策のさらなる充実を図っていくと訴えましたが及ばず、落選が確実となりました。
【動画・東京24区】無所属 萩生田光一氏 当選が確実
東京24区は無所属の前議員で、自民党の政務調査会長を務めた萩生田光一氏の7回目の当選が確実になりました。
萩生田氏は61歳。安倍元総理大臣に近かったことで知られ、経済産業大臣や文部科学大臣などを歴任しました。自民党の政務調査会長も務めましたが、収支報告書に不記載があった問題をめぐり、去年12月に辞任しました。その後、自民党から1年間の「党の役職停止」の処分を受け、今回の選挙には自民党から公認を得られず、無所属で臨みました。選挙戦では一連の問題を反省し、政治の信頼回復に努めていく姿勢を強調するとともに、憲法改正の実現や食料自給率の拡大などを訴えて自民党や公明党の支持層を固め、7回目の当選を確実にしました。
公明 石井代表「ほかの党に協力を求める動きは出てくると想定」
公明党の石井代表は、NHKの開票速報番組で「自民党が非公認とした候補者が代表を務める政党支部にも2000万円を交付したことは選挙資金として使われると誤解され、大きな影響を与えたのではないか。非公認の候補者の選挙には使えないという説明を最初からきちんとしてほしかった」と述べました。一方、今後の政権運営について「自民・公明両党で連携する方向性は変わらないが、仮に両党で過半数を取れないとなれば、ほかの党に協力を求める動きは出てくると想定している。私どもにも相談があると思うので意見はしっかりと申し上げたい」と述べました。
【動画・福岡11区】自民 武田元総務相 落選が確実
福岡11区で、自民党の前議員で公明党の推薦を受けた武田良太・元総務大臣の落選が確実になりました。
武田氏は56歳。衆議院議員の秘書を経て、2003年の衆議院選挙で初当選し、総務大臣や国家公安委員長を歴任したほか、自民党の旧二階派では事務総長を務めました。武田氏は収支報告書に不記載があり、自民党から1年間の「党の役職停止」の処分を受けました。政治倫理審査会で説明したことで党の公認は得られましたが、比例代表への重複立候補は認められませんでした。選挙戦で武田氏は、一連の問題をおわびし、政治改革に取り組む姿勢を示すとともに、誰もが実感できる経済成長の実現や地方の活性化などを訴え、8回目の当選を目指しましたが、支持は十分に広がらず、落選が確実になりました。
22:00すぎ
- 注目
【動画】◇石破首相「非常に厳しい審判と認識」
石破総理大臣は、午後10時すぎ、NHKの開票速報番組で「ここまでは非常に厳しい審判をいただいていると認識している。謙虚に厳粛に受け止めなければならない」と述べました。一方、仮に自民・公明両党で過半数を確保できなかった場合、野党に協力を求めるのかどうかについて「野党にはいろいろな党があるが、そういう方々が多くの信任を得られたということであれば、国民の意思になるべく沿うようにするのは当然のことだ」と述べました。そして「野党に協力を求めてでも自民党中心の政権を目指すということか」と問われたのに対し「そういうことだ」と述べました。
また、自民党の今後の課題について「国民の『自民党はもっときちんと反省をしなさい』、『もっと国民の意思に沿った政党になりなさい』という強い意思だと思っている。そこは真摯に受け止め、例えば、政治改革本部を直ちに起動させるということもやっていかなければならない」と述べました。
石破総理大臣はフジテレビの開票速報番組で「いわゆる政治とカネの問題について全く理解をいただけていないということが一番大きかった。外交・安全保障や社会保障などの個々の論点に議論がいかず、政治とカネに議論が集中したという感じはしている」と述べました。
さらに午後10時半すぎ、TBSの開票速報番組で、自民党が非公認とした候補者が代表を務める政党支部にも2000万円を支給したことをめぐって「候補者が選挙に使うことは一切ない。党の広報や宣伝活動に必要なものを支出したもので、法的にも倫理的にも何ら問題があるものではないが、それが公認と同じような扱いで候補者は選挙に使うのではないかという思いを持たれていることは説明が十分ではなかった」と述べました。
【福井2区】無所属 高木毅氏の落選確実
福井2区は無所属の前議員で元自民党国会対策委員長の高木毅氏の落選が確実になりました。
高木氏は68歳。2000年の衆議院選挙で初当選し、これまでに復興大臣や自民党の国会対策委員長などを歴任してきました。高木氏は収支報告書への不記載で自民党から党員資格停止の処分を受けたため、今回は党の公認を得られず、無所属で臨みました。また福井2区では、自民党の元衆議院議員の山本拓氏も無所属で立候補し、保守分裂となった上、立憲民主党や日本維新の会などの候補も加わる形で激しい選挙戦となりました。高木氏は、不記載問題を謝罪し、信頼回復に努める姿勢を示すとともに防災対策の強化やインフラ整備の推進などを訴えましたが、十分支持が広がらず、落選が確実になりました。
【大分2区】元衆院副議長の衛藤征士郎氏が落選確実
大分2区で、自民党の前議員で公明党の推薦を受けた衛藤征士郎・元衆議院副議長の落選が確実になりました。
衛藤氏は83歳。参議院議員を経て1983年の衆議院選挙で初当選して以降13回連続で当選し、防衛庁長官や衆議院副議長などを歴任しました。衛藤氏は収支報告書の不記載で、自民党から半年間の「党の役職停止」の処分を受け、比例代表への重複立候補は認められませんでしたが、党の公認は得て選挙戦に臨みました。選挙戦で衛藤氏は、不記載を謝罪し、政治改革に取り組み続ける決意などを訴え、14回目の当選を目指しましたが、支持が広がらずに落選が確実になりました。
22:30ごろ
【動画】◆立民 野田代表 他党連携「誠意ある対話しなければ」
立憲民主党の野田代表は、午後10時半ごろ、NHKの開票速報番組で「前回よりは躍進していることは事実だ。願わくば自民・公明両党の過半数割れまで追い込みたいので、緊張感を持って開票の推移を見守っていく」と述べました。その上で、ほかの党との連携について「誠意ある対話はしなければいけない。特別国会にどう臨むかというところから議論を始め、その先には当然、来年夏の参議院選挙の戦い方も展望に入れて、対話が続くということだ」と述べました。また、政治とカネの問題について「新しい事実が次々出てきている。関係した人たちについては、政治倫理審査会への出席を求め弁明がおかしければ、予算委員会の証人喚問を求めていく」と述べました。
立民 改選前の98議席上回る
立憲民主党の獲得議席は99に達し、選挙前の98議席を上回りました。
22:00すぎ
◆社民 福島党首「自民への批判票 社民にあまり来ていない」
社民党の福島党首は、午後10時すぎ、東京 中央区の党本部で記者会見し「沖縄2区での当選が確実となり本当によかった。自民党政治や、政治とカネの問題に関する国民の怒りはとても強いものがあった。ただ、自民党に対する批判票が、社民党にあまり来ていないので、これを克服するべく頑張っていきたい」と述べました。
21:00
◆維新 馬場代表 “自公 立民との連立は否定”
日本維新の会の馬場代表は、午後9時から、大阪市の開票センターで記者会見しました。この中で馬場代表は「最大の目標は、与党の過半数割れだ」と述べました。そして、自民・公明両党が過半数割れした場合の連立政権の可能性を問われたのに対し「連立政権入りはまったく考えていないが、展開を見ながら対応するのが第一歩だ。ただ、政治とカネの問題がクリアにならない以上は、信用するわけにはいかない」と述べました。さらに立憲民主党や国民民主党との連携については「立憲民主党や国民民主党は、外交安全保障や憲法など、基本的な政策で党内がまとまっていない。そういう状況で連立を組めば、政治の世界を混乱させるだけになるので、サポートすることはない」と述べました。
さらに午後9時半すぎ、大阪市で開いた記者会見で、みずからの責任について問われたのに対し「結果がすべて出た後に、次への対策を考えたい」と述べました。その上で、党の規約で、衆議院選挙後に、代表選挙を行うかどうか「特別党員」に問うことになっているとして「皆様に、代表選挙を行うか意見を聞いて、出処進退を決めるのが筋ではないか」と述べました。
【兵庫9区】無所属 西村元経済産業相の当選確実
兵庫9区は、無所属で立候補した西村康稔・元経済産業大臣の8回目の当選が確実になりました。西村氏は62歳。旧通産省を経て、2003年の衆議院選挙で初当選し、経済再生担当大臣や官房副長官などを歴任しました。岸田政権では、経済産業大臣を務めましたが、政治とカネの問題をめぐって去年12月に辞任しました。その後、西村氏は、自民党から党員資格停止の処分を受けたため、今回の選挙には党の公認を得ずに無所属で臨みました。選挙戦では、政治資金問題について謝罪するとともに、経済対策や地域活性化などに力を尽くしていくと訴えて与党の支持層などを固め、8回目の当選が確実になりました。
【神奈川20区】自民 甘利元幹事長の落選確実
神奈川20区で、自民党の前議員で公明党の推薦を受けた甘利明・元幹事長の落選が確実になりました。
甘利氏は75歳。1983年の衆議院選挙に当時の新自由クラブから立候補して初当選し、その後、自民党に入りました。これまでに経済産業大臣や党の政務調査会長などを歴任し、2021年には幹事長に起用されましたが、1か月後の衆議院選挙で小選挙区で敗れた責任をとって辞任しました。今回の選挙戦では、所得の向上や経済政策の充実などを訴え、14回目の当選を目指しましたが選挙区で敗れ、比例代表との重複立候補もないことから、落選が確実になりました。
21:40ごろ
石破首相 開票センター入り
石破総理大臣は午後9時40分ごろ、自民党本部9階に設けられた開票センターに入りました。
21:30すぎ
公明 石井代表 党本部入り
公明党の石井代表は、午後9時半すぎ、党本部に入りました。党本部には、すでに山口・常任顧問や西田幹事長らが入っています。
21:00すぎ
◆れいわ 山本代表「さらに議席積み上げたい」
れいわ新選組の山本代表は、午後9時すぎ、東京都内の開票センターで記者会見し「議席は倍増したが足りない。さらに議席を積み上げ国会でしっかりとした発言時間を担保することが必要だ」と述べました。
21:00ごろ
【動画】◆参政 神谷代表「自公提案が国益守るなら協力も」
参政党の神谷代表は、東京 港区の党本部で午後9時ごろから記者会見し「われわれは減税を強く訴えたが、『自公政権が続くと、また増税だ』という訴えへの反応が大きく、国民は、国政に『変わってほしい』という思いを強く持っていると感じた」と述べました。その上で、自民・公明両党が過半数割れした場合の対応について「国益を守ることが第一なので、自民・公明両党の提案が国益を守るものであれば、小異を捨てて大同につき、協力する可能性はある」と述べました。
21:00すぎ
◆共産 田村委員長「国民の怒りが沸騰 わが党が貢献」
共産党の田村委員長は、午後9時すぎ、党本部で記者会見し「自民・公明両党が、相当に議席を減らすことが明らかな情勢だ。私たちが選挙戦の終盤で、自民党が非公認とした候補者が代表を務める政党支部に、党本部から2000万円が振り込まれたことを暴いたことで、国民の怒りが沸騰した。自民党を激しく追い詰めることに、わが党の活動が、かなり貢献したと確信している」と述べました。
21:00すぎ
【動画】◆立民 小川幹事長「あらゆる可能性 排除しない」
立憲民主党の小川幹事長は、午後9時すぎ、NHKの開票速報番組で「確定的な感想を持つべきタイミングにはないが、これまで以上に大きな責任を担っていく準備も進めていかなければならない」と述べました。その上で、ほかの党との連携について「あらゆる可能性を排除するものではない。自民・公明両党の過半数割れと、政権交代が今回の選挙を戦う眼目であり、それに従った形でいろんなことを考えていく」と述べました。
21:00すぎ
【動画】◇自民 森山幹事長「厳しい国民の批判 強く認識」
自民党の森山幹事長は、午後9時すぎ、NHKの開票速報番組で「議席が確定しているわけではないが、大変厳しい国民の批判があることは強く認識している。私の責任については、謙虚に真摯に結果を受け止めたい」と述べました。また、党が非公認とした候補者が代表を務める政党支部にも2000万円を支給したことについて「非公認の候補者の選挙費用に使われるのではないかという誤解があったが、それは自民党のルールからしてできない。われわれの説明不足もあったと反省している」と述べました。一方で、自民・公明両党で過半数割れとなった場合の対応を問われたのに対し「その判断をするときではなく、いろんなことを考えたい」と述べました。
20:30すぎ
◇公明 西田幹事長「自公政権をしっかり維持」
公明党の西田幹事長は、午後8時半すぎ、BS朝日の番組で「政治とカネの問題などの与党に対する厳しい反応が如実に表れている。自民党が非公認とした候補者が代表を務める政党支部にも2000万円を支給した問題が急浮上したこともかなりだめ押しになっている。大変残念だ」と述べました。その上で今後の政権運営について「国民の厳しい声をしんしに受け止めた上で公明党が与党の中で政治改革をより強く主導していきたい。自公政権をしっかり維持していくことが基本だ」と述べました。
21:00前
◆維新 吉村共同代表 開票センターに入る
日本維新の会の吉村共同代表は、午後9時前、大阪市内の開票センターに入りました。開票センターには、すでに馬場代表や藤田幹事長も入っています。
◇自民 小泉選対委員長 2000万円支給「理解得られなかった」
自民党の小泉選挙対策委員長は、テレビ東京の開票速報番組で「政治とカネの問題にいまだに決着をつけることができていないことへの蓄積された不満と批判が今の選挙結果の状況になっているのではないかと思う」と述べました。また、自民党が非公認とした候補者が代表を務める政党支部にも2000万円を支給していたことについて「理解は得られなかったと思う。政治の世界では、候補者は非公認であっても自民党の支部長だが、国民の受け止めとずれていたと指摘されてもしかたがない」と述べました。一方、みずからの責任について問われたのに対し「選挙対策委員長である私は責任を取ることが必要であり、結果を最後まで見届けた上で、どういう形がいいか判断をしたい」と述べました。
日本保守党が初の議席獲得が確実
日本保守党は、初めての議席を獲得することが確実となりました。
20:00すぎ
◆国民 玉木代表「議席増なら極めて意義のある戦い」
国民民主党の玉木代表は、午後8時すぎ、東京都内から、オンラインで地元支援者との会合に参加し「『対決より解決』や『政策本位』を掲げてきた。『与党にすり寄っている』などと言われてきたが、議席を増やすことができたならば、極めて意義のある戦いだ。必死に戦ってきた仲間の結果をしっかりと見守りたい」と述べました。
20:00すぎ
【動画】◆保守 百田代表「これからが勝負だ」
日本保守党の百田代表は午後8時すぎ、東京都内で記者会見し、初めての議席獲得が確実になったことについて「非常に気持ちがいいもので、さらに続きたい。これからが勝負だ」と述べました。その上で記者団から「自民党から連立政権の打診があったらどうするのか」と問われたのに対し「基本的には応じないが、『総理大臣は日本保守党から出す』と言われたら、少しは考えてもよい」と述べました。
20:00すぎ
【動画】◆立民 辻元代表代行「多くの方に共感いただいた」
立憲民主党の辻元代表代行は、午後8時すぎ、NHKの開票速報番組で「まだ接戦区がいくつもあるので、予断を許さない。私たちは『政権交代こそ最大の政治改革だ』と訴えてきて、今まで以上に、多くの皆さんに共感をいただいた実感もある」と述べました。
20:00すぎ
◇自民 小野寺政調会長「政治資金問題の声にかき消された」
自民党の小野寺政務調査会長は、午後8時すぎ、BS朝日の開票速報番組で「選挙戦を通じて向かい風をかなり感じてきた。経済対策、物価高対策などをしっかりやっていくと訴えたが野党側は政治資金の問題で攻勢が大きく、そちらの声にかき消されたような状況になってしまった。政務調査会長としては、経済対策や補正予算案の審議に影響が出ないか心配をしている」と述べました。
20:00すぎ
- 注目
【動画】◇自民 小泉選対委員長「大変厳しい状況 私の力不足」
自民党の小泉選挙対策委員長は、午後8時すぎ、NHKの開票速報番組で「大変厳しい状況だ。選挙は、いかなる結果であろうとも、選挙対策委員長である私の責任だ。全国で戦っている同志に対して私の力不足を申し訳なく思っている」と述べました。また「政治とカネの問題に決着をつけることができずに来てしまったことも含め、さまざまな要因によって自民党に対する厳しい逆風と有権者の厳しい審判が下った。執行部として責任を受け止めたい」と述べました。その上で「仮に過半数を割った場合には、できる限り多くの方々に協力を得られるように、虚心坦懐に向き合っていく。そして、山積する課題を前に進めていけるように、真摯に反省の上に立って向き合っていく姿勢が大事だ」と述べました。
【香川1区】自民 平井氏 立民 小川幹事長に及ばず
自民党の前議員の平井卓也氏は、小選挙区の香川1区では議席を確保できませんでした。平井氏は、比例代表の四国ブロックに重複立候補しており、比例代表の結果を待つことになります。平井氏は66歳。地元テレビ局の社長などを経て2000年の衆議院選挙で初当選し、菅内閣では初代のデジタル大臣を務めました。選挙戦で平井氏は、政治とカネの問題を受けた政治改革や物価高対策に取り組むことなどを訴えましたが小選挙区の香川1区で立憲民主党の小川淳也・幹事長に及びませんでした。平井氏は、比例代表の四国ブロックに重複立候補しており、比例代表の結果を待つことになります。
【動画・愛知1区】保守 河村たかし氏が当選確実
愛知1区は、前の名古屋市長で日本保守党の元議員、河村たかし氏の6回目の当選が確実になりました。河村氏は、名古屋市出身の75歳。衆議院議員を5期務めたあと、名古屋市長を10月、今回の衆議院選挙に立候補するために辞職するまで4期15年務めました。
【動画・東京7区】自民・丸川珠代氏 落選が確実
東京7区で、自民党新人の丸川珠代・元オリンピック・パラリンピック担当大臣の落選が確実になりました。丸川氏は53歳。2007年の参議院選挙で初当選し、これまでに環境大臣やオリンピック・パラリンピック担当大臣を務めました。参議院議員3期目の途中で東京7区から衆議院選挙に立候補することになりました。収支報告書への不記載で、自民党から戒告処分を受け、比例代表の重複立候補は認められませんでしたが、党の公認を得て戦いました。丸川氏は、一連の問題を反省し政治改革に取り組む姿勢を強調するとともに、災害やテロに負けない都市づくりなどを訴えましたが、十分支持が広がらず、落選が確実になりました。
【動画・東京11区】無所属 下村博文氏は落選確実
東京11区で、無所属の前議員で元自民党政務調査会長の下村博文氏の落選が確実になりました。下村氏は70歳。東京都議会議員を経て1996年の衆議院選挙で初当選し、文部科学大臣や党の政務調査会長などを務めました。下村氏は、収支報告書への不記載で党員資格停止の処分を受けたため、今回は自民党の公認を得られず、無所属で臨みました。一連の問題を反省し、政治資金の流れを透明化していく姿勢を強調するとともに、物価高対策や少子化対策などを訴えて10回目の当選を目指しましたが十分支持が広がらず、落選が確実になりました。
【和歌山2区】無所属の世耕氏が自民 二階氏に勝利確実
自民党の二階・元幹事長の三男で、新人の二階伸康氏は、和歌山2区では議席を確保できませんでした。二階氏は、比例代表に重複立候補しており、その結果を待つことになります。二階伸康氏は46歳。自民党の二階俊博・元幹事長の三男で、航空会社勤務などを経て俊博氏の秘書を務めました。政治とカネの問題をめぐって二階・元幹事長が政界を引退したことに伴い、地盤を引き継ぐ形で今回、立候補しました。和歌山2区には、政治とカネの問題をめぐって自民党を離党した無所属の世耕弘成氏が立候補し、二階氏との間で保守分裂の激しい争いが繰り広げられました。二階氏は一連の問題を教訓に、政治資金の透明化など、政治改革に取り組むとともに、地域活性化や国土強じん化などに全力をあげると訴えましたが選挙区では敗れました。二階氏は、比例代表の近畿ブロックに重複立候補しており、その結果を待つことになります。
【岩手3区】自民 藤原崇氏 立民 小沢氏に及ばず落選確実
岩手3区で、自民党の前議員で公明党が推薦する藤原崇氏の落選が確実になりました。藤原氏は、岩手県西和賀町出身の41歳。弁護士で2012年の衆議院選挙で初当選し、これまでに財務大臣政務官などを務めました。藤原氏は、収支報告書の不記載があり、比例代表への重複立候補は認められませんでしたが、自民党の公認は得て選挙戦に臨みました。選挙戦では一連の問題をおわびしつつ、子育て支援や農業振興などを訴えましたが、立憲民主党の小沢一郎氏に敗れ、落選が確実になりました。
【各党議席予測】
NHKは、投票日の27日、全国4000か所余りの投票所で、投票を終えた有権者およそ49万2000人を対象に出口調査を行い、64.8%にあたる31万8000人余りから回答を得ました。
出口調査や情勢分析の結果、自民・公明両党の獲得予想議席は174議席から254議席となり、目標としていた過半数の233議席を確保するのは微妙な情勢です。
このうち▽自民党の公認候補の獲得予想議席は、153議席から219議席で、単独で過半数の233議席に届かないことが確実な状況です。単独過半数を割り込むのは民主党政権が誕生した15年前の2009年以来となります。今後、党から公認されなかった無所属候補が当選した場合に執行部が追加で公認を出す可能性があります。
▽公明党は21議席から35議席を獲得する見通しです。
一方、野党側は、▽立憲民主党が、128議席から191議席で、選挙前の98議席から大幅に増やすのは確実です。
▽日本維新の会は、28議席から45議席を獲得する見通しです。
▽共産党は、7議席から10議席を獲得する見通しです。
▽国民民主党は、20議席から33議席と選挙前の7議席から大幅に増やす見通しです。
▽れいわ新選組は、6議席から14議席と、選挙前の3議席から増やす見通しです。
▽社民党は、1議席の獲得が確実です。
▽参政党は、4議席まで獲得する可能性があります。
▽日本保守党は、1議席から4議席を。
▽無所属の候補は、9議席から17議席をそれぞれ獲得する見通しです。
【小選挙区】(全国289の小選挙区)
▼自民党:102議席~156議席
▼立憲民主党:87議席~135議席
▼日本維新の会:17議席~27議席
▼公明党:3議席~11議席
▼共産党:1議席を獲得する可能性
▼国民民主党:6議席~12議席
▼れいわ新選組:議席の獲得は厳しい情勢
▼社民党:1議席の獲得が確実
▼参政党:議席の獲得は厳しい情勢
▼日本保守党:1議席の獲得が確実
▼無所属の候補:9議席~17議席
【比例代表】(定員176)
▼自民党:51議席~63議席
▼立憲民主党:41議席~56議席
▼日本維新の会:11議席~18議席
▼公明党:18議席~24議席
▼共産党:7議席~9議席
▼国民民主党:14議席~21議席
▼れいわ新選組:6議席~14議席
▼社民党:議席の獲得は厳しい情勢
▼参政党:4議席まで獲得する可能性
▼日本保守党:3議席まで獲得する可能性
《注目選挙区 出口調査結果》
【出口調査結果】全国289小選挙区の出口調査結果はこちらから
【東京24区】出口調査の結果
東京24区です。無所属の前議員の萩生田さんと立憲民主党の新人の有田さんが競り合っています。
東京24区は、▼無所属の前議員で自民党の政務調査会長も務めた萩生田光一氏に対し、▼立憲民主党の新人で元参議院議員の有田芳生氏、いずれも新人で▼日本維新の会の佐藤由美氏、▼国民民主党の浦川祐輔氏、▼参政党の與倉さゆり氏らが挑み、6人が争う構図です。萩生田氏は、収支報告書の不記載の問題で、自民党から1年間の「党の役職停止」の処分を受け、今回は自民党の公認を得られず、無所属で立候補しました。
【東京7区】出口調査の結果
東京7区です。立憲民主党の元議員の松尾さんがきわめて優勢です。
東京7区は▼自民党の元参議院議員で元オリンピック・パラリンピック担当大臣の丸川珠代氏と▼立憲民主党の元議員の松尾明弘氏、▼日本維新の会の前議員の小野泰輔氏、▼参政党の新人の石川友梨香氏の4人の争いとなりました。自民党の丸川氏は、収支報告書の不記載があり、戒告処分を受けましたが、党の公認を得て立候補しました。比例代表での重複立候補はありません。
【岩手3区】出口調査の結果
岩手3区です。立憲民主党の前議員の小沢さんがきわめて優勢です。
岩手3区は、前回・3年前と同じ顔ぶれで▼自民党の前議員の藤原崇氏と▼立憲民主党の前議員の小沢一郎氏の与野党対決となりました。前回は小沢氏が敗れ、小選挙区で初めての敗北となりました。一方、自民党の藤原氏は、政治資金収支報告書に不記載があり比例代表への重複立候補が認められませんでしたが、党の公認を得て選挙に臨みました。
【和歌山2区】出口調査の結果
和歌山2区です。無所属の新人の世耕さんが極めて優勢です。
和歌山2区は、▼自民党の新人の二階伸康氏、▼自民党の参議院幹事長などを務めた無所属の新人の世耕弘成氏、▼立憲民主党の新人の新古祐子氏、▼共産党の新人の楠本文郎氏ら5人の争いです。政治とカネの問題をめぐって政界を引退した二階・元幹事長の三男である伸康氏と、一連の問題を受けて自民党を離党した世耕氏との保守分裂の上に、野党候補も加わる形で激しい争いが繰り広げられました。
【埼玉5区】出口調査の結果
埼玉5区です。立憲民主党の前議員の枝野さんが優勢です。
埼玉5区は、▼自民党の前議員の牧原秀樹・法務大臣と▼立憲民主党の元代表で前議員の枝野幸男氏に加え、▼共産党の新人山本悠子氏と▼れいわ新選組の新人、辻村千尋氏のあわせて4人の争いです。埼玉5区では前回までの過去8回連続で立憲民主党の枝野氏が選挙区で当選していて、自民党の牧原氏は選挙区での当選はなく、過去5回の当選はすべて比例代表での当選となっています。
19:30前
石破首相 党本部入り
石破総理大臣は、午後7時半前、自民党の開票センターが設けられている党本部に入りました。党本部には、すでに、森山幹事長や小泉選挙対策委員長ら党4役が入っています。
19:00すぎ
立民 野田代表 党本部入り
立憲民主党の野田代表は、午後7時ごろ、党本部に入りました。党本部には、小川幹事長もすでに入っています。
「当確判定」の基本方針
「当選確実」は、選挙管理委員会の発表とは別に、NHKが独自に判断して放送するものです。
NHKは、投票日の27日、全国4000か所余りの投票所で、投票を終えた有権者およそ49万2000人を対象に出口調査を行い、64.8%にあたるおよそ31万8000人から回答を得ました。また、期日前投票の出口調査や情勢取材なども行っていて、これを総合的に分析して「当選確実」を判定します。
このため、選挙管理委員会の公式発表がない段階や、開票率が低い段階でも、優勢かどうかの見極めがつく場合には、「当選確実」と判断し、放送します。また、開票が始まる前であっても、分析の結果、大差をつけて当選することが確実だと判断できれば「当選確実」をお伝えします。
27日に行われた衆議院選挙で、自民・公明両党は、目標としていた過半数の233議席を下回りました。
石破総理大臣はNHKの開票速報番組で「非常に厳しい審判をいただいていると認識している。謙虚に厳粛に受け止めなければならない」と述べました。
その上で、野党に協力を求めてでも自民党を中心とした政権の維持を目指したいという考えを示しました。
石破総理大臣としては、物価高への対応などの政策課題に速やかに取り組む必要があるとして、政策で一致できる党への協力を要請する方針です。
また、公明党は先月就任したばかりの石井代表が落選しました。
前の代表の山口常任顧問は「党を立て直し、新しい体制を作っていかざるをえない」と述べていて、体制の立て直しに向けた検討を行うものとみられます。
一方、野党側は立憲民主党が大幅に議席を増やし、野田代表は記者会見で「与党の過半数割れが目標だったので、達成できたことは大きな成果だ」と述べました。
立憲民主党は28日に執行役員会を開き、今後の対応を協議することにしていて、特別国会で行われる総理大臣指名選挙に向けて、ほかの野党との連携を模索する方針です。
また国民民主党も選挙前から大幅に議席を増やしました。
玉木代表は自民・公明両党から連立政権への参加の打診は受けていないとした上で「どこかに加わるというよりも選挙で訴えた『手取りを増やす経済政策』の実現に向けて、協力できるところとは協力する」と述べました。
政権運営のあり方をめぐり与野党を超えた各党の駆け引きが活発になる見通しです。