マーケットで話題になったニュースをお届けします。一日を始めるにあたって押さえておきたい5本はこちら。
増資
ボーイングは増資により約190億ドル(約2兆9000億円)を調達する。手元流動性のニーズに対応し、ジャンク級(投機的水準)への格下げ回避を図る狙いがある。発表によると、普通株9000万株と、約50億ドル相当の預託株を発行する。25日の株価終値に基づけば、普通株売却による調達額は140億ドル弱となる見通し。同社は長年にわたる混乱と、7週目に入ったストライキの影響でバランスシートが悪化。ストにより主要な収益源である737MAX旅客機の生産は打撃を受けている。
工場閉鎖
フォルクスワーゲン(VW)はドイツ国内で少なくとも3つの工場を閉鎖し、数千人の削減を計画していると、同社の労働組合トップが明らかにした。広範なコスト削減で競争力を強化する戦略の一環だという。計画には主力ブランド「フォルクスワーゲン」部門の全従業員を対象にした一律10%の減給や、ドイツの残る生産拠点を全て縮小する方針も含まれていると、VW監査役会のメンバーも務める労働評議会のダニエラ・カバロ代表が説明。減給の対象は約14万人に及ぶ可能性があるという。計画は同社が陥った危機の深刻さを物語る。
債券自警団
ウォール街のベテランでヤルデニ・リサーチ創設者のエド・ヤルデニ氏は、迫り来る米国の選挙は市場の債券自警団の復活を予兆している可能性があると指摘した。同氏は1980年代に、米政府を財政緊縮の道筋に回帰させようと債券を売る投資家を「債券自警団」と名付けたことで知られる。「債券自警団が確実に増えつつあるというのはあり得るシナリオだ」と同氏はブルームバーグテレビジョンで発言。「債務に対処するために、また政府の純利払い費用に対処するために財政赤字削減策を講じるという議論は、いずれの候補者からも一切聞かれていない」と述べた。
AI機能
アップルの生成人工知能(AI)機能「アップル・インテリジェンス」が部分的にロールアウトされ、スマートフォンの「iPhone」やタブレット端末の「iPad」、パソコンの「Mac」で使用できるようになった。同社は同時に自社製「M4」プロセッサーを搭載した新しいデスクトップパソコン「iMac」の24インチ型を発表した。パワーアップしたニューラルエンジンがAIタスクをサポートするという。メタ・プラットフォームズはAI搭載チャットボットの利用者に情報を提供するため、検索エンジンの開発に取り組んでいる。ジ・インフォメーションが報じた。
北朝鮮軍の展開確認
ロシアがウクライナとの戦争に北朝鮮軍を投入すると決定したことで、ウクライナの支援国は、戦争を一段とエスカレートさせる以外の選択肢がほぼない状況に追い込まれた。北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は初めて北朝鮮軍の展開を確認した上で、ロシアの戦争に対する北朝鮮の関与に「重大な激化」があったと評した。米国防総省のシン報道官によると、北朝鮮はウクライナ軍が今年戦果を上げたロシア西部クルスク州に約1万人の兵士を派遣する予定で、追加派兵の可能性もある。
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