米大統領選はトランプ氏の勝利がすでに確定しているが、この週末に開票が遅れていたアリゾナ州の最終結果が確定した。トランプ氏は激戦が予想された7州全部で勝利した。A P通信によると代理人の獲得人数はトランプ氏312人、ハリス氏226人。トランプ氏の圧勝だ。投票総数もトランプ氏が7478万票(50.4%)、ハリス氏が7118万票(48.0%)。この結果をみて投票日直前まで接戦、激戦、拮抗と報じていたい米国の主要メディアの姿勢に、改めて疑念を感じた。民主党支持が圧倒的に多い米国の主要メディア。接戦、激戦報道の裏にはハリス候補を応援する報道機関の本音が隠されていたのではないか。米国の報道機関は民主党と組んで、トランプ排除の論戦を張っていたのだろう。問題はトランプ氏の評価ではない。真実を報道しないメディア、民主党の宣伝媒体に成り下がったテレビ局、報道機関としての適性が問われている気がする。
終わってみれば勝利したトランプ氏の選挙戦略は実にタイムリーでスピード感があり、限りなく有権者の心に突き刺さるものが多かった。激戦州の一つ東部・ペンシルベニア州での銃撃事件を受けて、選挙戦の終盤に同じ場所で選挙演説を行った。銃撃事件で見せた“強さ”の再現だ。ハリス氏の弱々しさを間接的に攻撃している。トランプ氏の選挙戦略は、演説や動作の一つ一つに有権者を意識した戦術が隠されていたようにみえる。“ゴミ論争”もその一つだ。元々はトランプ氏の支持者がカリブ海に浮かぶプエルトリコを「ゴミの島」に例えたことが発端だが、この言葉尻を捉えたバイデン大統領が「私が考える唯一のゴミはトランプ支持者だ」と失言した。この一言を捉えたトランプ陣営は翌日、車体にTRUMPと大書きされたゴミ収集車を用意、運転席に乗るトランプ氏の映像を流した。このシーンでトランプ氏は一言もバイデン氏を非難していないが、ゴミ論争はトランプ氏の圧勝となった。
マクドナルドでのアルバイトもハリス批判として有権者の胸に突き刺さった。ハリス氏は「若い頃マックで働いた」と発言したがこれが実は嘘。間髪を入れずにマックでアルバイトをしてみせたトランプ氏は「ハリスは嘘つき」との名演技を披露した。これはほんの一例だろう。トランプ氏の選挙遊説には余裕があった。これに対してハリス氏は演説中にプロンプターが故障した途端、「あと32日、あと32日・・・」と投票日までの日数を繰り返すしかなかった。突発した危機への対応力の鈍さ、大統領候補者としての適性が問われてしまったのだ。こんな場面がいくつもあった。にもかかわらず米国の主要メディアは接戦、激戦、拮抗していると報道し続けた。“トランプ憎し”の一念だったのだろう。でもそれがかえってトランプ陣営を勢いづかせる結果になったのではないか。メディアの偏向もトランプ圧勝の一因だった気がする。
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