[ワシントン 17日 ロイター] – バイデン米政権は、ウクライナが米国製兵器を使用してロシア領内を攻撃することを許可した。米政府当局者や関係者が17日に明らかにした。ウクライナの対ロシア攻撃を巡る大きな方針転換となる。
ウクライナは今後数日中に長距離兵器を使用した攻撃を実施する計画という。
長距離兵器のロシア領内への使用を巡ってはウクライナのゼレンスキー大統領が許可を求めてきたが、米国は認めていなかった。
方針転換は主に北朝鮮によるロシアのウクライナ戦線への派兵を受けた対応という。
ホワイトハウスと米国務省はコメントを控えた。
ロシアはウクライナによる米国製兵器使用の制限が緩和されれば、重大なエスカレーションと見なすと警告している。
関係者の話では、ウクライナは射程約300キロの地対地ミサイル「ATACMS」でロシア領内を攻撃する可能性がある。
来年1月に就任するトランプ次期米大統領がバイデン氏の決定を覆すかどうかは明らかではない。
ロシア上院の国際問題委員会のウラジミール・ジャバロフ第一副委員長は、米国の決定は「第三次世界大戦」につながる恐れがあると指摘。上院の上級メンバー、アンドレイ・クリシャス氏も「西側諸国は、朝までにウクライナ国家が完全に崩壊する可能性があるほどの緊張激化のレベルを決定した」とテレグラムに投稿した。
一方、共和党のマイク・ターナー下院情報特別委員長は、バイデン大統領の決定は遅すぎたとし、ウクライナに対する制限は依然として多すぎるとし、「トランプ次期大統領がホワイトハウスに戻って戦争終結に取り組む中でこの第一歩がプーチン大統領への圧力になる」と述べた。