セブン&アイ・ホールディングス(HD)株が一時前日比10%高の2693円を付け、ブルームバーグにデータが残る2005年9月以来の日中高値となった。
セブン&アイに対して、創業家などが8兆円を超える資金を調達し、特別目的会社を通じて公開買い付け(TOB)を実施、今年度中に手続きを完了させる案を軸に調整していると、NHKが19日夜に報じた。
セブン&アイをめぐっては、創業家や伊藤忠商事などがMBO(経営陣が参加する買収)を計画していることがすでに報じられており、改めて時期が示されたことで、買いが集まったようだ。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは、鍵となる価格はまだ分からないとした上で、今回の報道でMBOがかなり現実味を帯びたことは好感されていると指摘。「創業家が本気になったということに対する期待で株価が上がったのだろう」と述べた。
アナリストのトラビス・ランディ氏は、創業家である伊藤家の案は、カナダのコンビニエンスストア大手アリマンタシォン・クシュタールよりもタイミングが早く、また同家には独禁法上問題となりそうな事業も抱えていない、と指摘した。