山口貴也

24年度市中向け国債173兆円台半ばに増額、利付債は増減せず=関係筋

 11月28日、財務省は、2024年度の国債発行計画見直しで、定期的な入札によるカレンダーベース市中発行額を173兆円台半ばに増額する方針だ。写真は円紙幣とイメージ。2017年6月撮影(2024年 ロイター/Thomas White)

[東京 28日 ロイター] – 2024年度税収が再び過去最高を更新する見通しとなった。近く閣議決定する24年度補正予算案で、税収想定を73兆円台半ばに見直す。税収の上振れ分を経済対策の財源とし、物価高に負けない賃上げ継続に向けた環境整備を急ぐ。複数の政府筋が明らかにした。

昨年末時点では24年度税収を69兆6080億円と見込んでいた。企業業績や物価高を受けた税収増を反映し、想定を4兆円弱上回ると判断した。

国の一般会計税収は23年度まで4年連続で過去最高を更新しており、実現すれば5年連続となる。23年度税収は72兆0761億円で、2年続けて70兆円を突破していた。

補正予算編成に先立つ総合経済対策では、経済成長や物価高克服などへの財政支出を21.9兆円とし、追加歳出を13.9兆円とすることを決めた。裏付けとなる補正予算案は28日召集の臨時国会に提出し、年内成立を目指す。

歳入では、主財源となる税収を補う新規国債の発行を6兆円台半ばに抑え、財政に配慮する姿も示す。