千葉 茂

  • ECB利下げ、米経済指標、中国の追加刺激策
  • あの鐘を鳴らしたのはトランプ氏、ロシアのシリア軍事基地
European Central Bank Cuts Interest Rates for Third Straight Time to Prop Up Flagging Economy
Photographer: Liesa Johannssen/Bloomberg

マーケットで話題になったニュースをお届けします。一日を始めるにあたって押さえておきたい5本はこちら。

予想通り

欧州中央銀行(ECB)は3会合連続となる利下げを発表した。インフレ率が目標の2%に近づく一方で経済は低迷していることから、来年もさらなる利下げを行うと示唆した。中銀預金金利は0.25ポイント引き下げられ、3%となった。ブルームバーグのエコノミスト調査で1人を除く全員が予想した通りだった。声明からは政策金利を必要な限り「十分に景気抑制的な」水準にとどめるという文言が削除されたが、記者会見でのラガルド総裁はそれほどハト派的ではなく、イタリア債を中心にユーロ圏国債は下落した。

米経済指標

11月の米生産者物価指数(PPI)は前月比0.4%上昇と、市場予想に反して伸びが加速した。卵価格の急騰が影響した。ただ、米金融当局が重視する個人消費支出(PCE)価格指数の算出に使われる項目は、総じて伸びが抑制された。前年同月比では3%上昇と、予想を上回った。新規失業保険申請件数は2カ月ぶりの高水準となった。この時期は年末のホリデーシーズンを控えデータは振れやすくなっているが、より変動の少ない4週移動平均も増加した。継続受給者数はこれで2カ月近く、3年ぶり高水準付近で推移しており、新たな職を見つけるまでの期間が長期化していることを示唆した。

追加刺激策

中国は2025年に借り入れと支出を増やす方針を示し、政策の焦点を消費へとシフトする姿勢を鮮明にした。共産党幹部は、来年の政策優先事項を定める「中央経済工作会議」の閉幕後、国内総生産(GDP)に対する財政赤字の比率を来年引き上げる方針を表明した。また利下げや預金準備率の引き下げを「適切な時期」に行うとした。

今年の人

トランプ次期米大統領は米誌タイムの「パーソン・ オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に選ばれたことにちなんで開かれたイベントで、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の取引開始を告げるオープニングベルを鳴らした。法人税率を現行の21%から15%に引き下げると表明したほか、キャピタルゲインと配当への課税引き下げについて顧問らと協議していると述べた。タイムとのインタビューでは、米国の対ウクライナ支援を戦争終結の交渉でロシアに対するレバレッジとして利用する意向を示した。

基地維持か

ロシアはシリアに保有する2つの重要な軍事基地について、同国の新指導部と維持で合意に近づいている。関係者によると、タルトス海軍基地とヘメイミーム空軍基地にロシア軍が駐留を続けるための交渉が進んでいる。アサド大統領を事実上追放した反体制派の攻勢を率いた武装組織「シリア解放機構(HTS)」から、シリア内の基地への継続駐留で非公式の理解を得たとロシア国防省は確信していると、関係者は説明。ただ、シリア情勢は不安定なため、状況はまだ変わり得ると述べた。

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