ロシア軍、ウクライナで主要目標達成に近づいている=プーチン氏

[モスクワ 19日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領は19日、ウクライナ紛争終結に向けトランプ次期米大統領と協議し、妥協する用意があると言明した。

プーチン大統領は毎年恒例の国民との直接対話で国内外の記者団からの質問に応じ、ロシア軍はウクライナの戦場で主要目標の達成に向け前進しており、毎日大規模な領土を支配下に置いていると述べた。

「間もなくウクライナでは戦おうとする者は誰もいなくなるだろう。われわれは準備ができているが、相手側も交渉と妥協両方の準備ができている必要がある」と述べた。

ウクライナ当局と交渉を開始するに当たり条件はなく、ゼレンスキー大統領を含めいかなる当局者とも交渉する用意があるとした。

ウクライナとの一時停戦という選択肢は否定し、長期的な和平協定のみが求められるという見解を示した。

<戦況>

プーチン氏は、ロシア軍がウクライナで全ての戦線で前進していると説明。「状況は劇的に変化していると言わざるを得ない。戦線全体に沿って動きがある。毎日だ」と語った。

「われわれの戦闘員は毎日平方キロ単位で領土を奪還している」という。

「戦闘は困難であるため、この先に何が待ち受けているかを推測することも困難であり、無意味だ。(しかし、)あなたが言った通り、われわれは『特別軍事作戦』の初めに説明した主要タスクの解決に向け前進している」と話した。

ロシア西部クルスク州にとどまり続けるウクライナ軍については間違いなく追い出すとしつつ、その時期への明言は避けた。

<奈落の底から脱出>

ロシアの状況については、ソ連崩壊に伴う混乱後、「奈落の底から脱出した」と強調。「私はロシアが自国の利益のために決定を下すことができる独立した主権国家となるよう全力を尽くしてきた」と述べた。

2022年にウクライナに対する軍事行動に踏み切ってから、ロシアははるかに強くなったという認識も示した。

また、シリア新体制に対しロシア軍基地の維持を提案しているとし、中東におけるロシアの影響力が薄まるといううわさは誇張されているとした。

ウクライナでの攻撃で使用した新型の中距離弾道ミサイル「オレシュニク」については、ウクライナで再度発射を計画し、西側諸国の防空システムが撃墜できるかどうかを確認する用意があると述べた。