Rita Nazareth

  • ブロードコムなど上昇、米政府の中国製半導体調査で-テスラも高い
  • 米国債は持ち直し、5年債入札が好調で-円はNY時間に再び軟化
Wall Street kicks off ‘Santa Claus Rally’ window.
Wall Street kicks off ‘Santa Claus Rally’ window. Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

24日の米株式相場は続伸。クリスマス前で閑散な商いとなる中、今年のけん引役である大手ハイテク株を中心に買いが入った。

株式終値前営業日比変化率
S&P500種株価指数6040.0465.971.10%
ダウ工業株30種平均43297.03390.080.91%
ナスダック総合指数20031.13266.251.35%

  前日と同様に堅調となった大手ハイテク株の中でも、テスラの上げが目立った。ブロードコムとアドバンスト・マイクロ・デバイセズも高い。バイデン米政権が中国製半導体に関する調査を開始したことが買いを誘った。祝日前の短縮取引となり、商いは薄かった。

関連記事:バイデン政権、中国製半導体調査へ-トランプ関税のお膳立て整え (1)

  ミラー・タバクのマット・メイリー氏は「ここ数週間の動きを見ると、現在の株式市場では依然として大手テクノロジー企業が主導的な役割を果たしていることが分かる」と指摘。「これらの大手テクノロジー企業は、非常に多くの機関投資家のポートフォリオで極度にオーバーウエートされている。今後1週間のうちに買いが入る場合、その対象はこれらの銘柄に集中する可能性が高い」と述べた。

  年末の5営業日と新年最初の2営業日に株価が上昇する「サンタクロース・ラリー」と呼ばれる現象にも期待が集まっている。今回はその期間が24日に始まった。

  ネッド・デービス・リサーチのロンドン・ストックトン氏は「年末にかけて季節的な強さが見られ、サンタクロース・ラリーが実現する可能性は依然ある」と述べた。「S&P500種は短期的に売られ過ぎの様相を呈しており、行き過ぎた楽観論は弱まっている」と続けた。

  LPLファイナンシャルのチーフ・テクニカル・ストラテジスト、アダム・ターンキスト氏によると、1950年以来、S&P500種はこの期間に平均および中央値で1.3%のリターンを得ており、通常の7営業日平均リターンの0.3%を大きく上回っている。

  同氏は「サンタクロース・ラリーがプラスのリターンをもたらした場合、S&P500種は1月と翌年通年で平均1.4%と10.4%のリターンをそれぞれ生み出している」と述べた。

'Magnificent Seven' Keep Powering Ahead

米国債

  米国債相場は午後に持ち直す展開。前日の2年債入札に続き、5年債入札も好調な結果となり、買いが入った。利回り曲線は当初のスティープ化の動きが巻き戻され、2年債と20-30年債利回りが低下した一方、3-10年債利回りは小幅上昇した。この日は午後2時までの短縮取引だった。

国債直近値前営業日比(bp)変化率
米30年債利回り4.76%-1.2-0.26%
米10年債利回り4.59%0.20.05%
米2年債利回り4.33%-0.8-0.18%
  米東部時間16時40分

外為

  外国為替市場では円が対ドルでほぼ変わらず。日本当局が投機的な為替の動きをけん制したため、アジア・欧州の取引時間帯に円買いが入ったが、ニューヨークの取引時間帯では再び1ドル=157円30銭台に下げる場面があった。

為替直近値前営業日比変化率
ブルームバーグ・ドル指数1301.350.560.04%
ドル/円¥157.20¥0.030.02%
ユーロ/ドル$1.0398-$0.0007-0.07%
  米東部時間16時40分

  加藤勝信財務相は投機筋の動きを含めて「為替市場の動向を憂慮しており、行き過ぎた動きには適切に対応を取りたい」と語った。

関連記事:為替「行き過ぎた動きに適切対応」、政府のスタンス変わらず-財務相

  スコシアバンクのチーフ通貨ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「加藤氏は日本当局が円の過剰な動きに対して適切な措置を取ると警告した。ホリデー期間の薄商いの中で、介入に踏み切った場合、対円のドル相場を押し下げる好機となるだろう」と述べた。

原油

  ニューヨーク原油相場は反発。祝日前で薄商いだった。国際政治を揺るがすようなトランプ次期米大統領の言動が意識されたほか、中国が景気押し上げに向けて特別国債の発行を計画しているとの一部報道が手掛かりとなった。

  中国当局は来年に過去最大となる3兆元(約64兆5000億円)相当の特別国債を発行する計画だと、ロイター通信が24日報じた。景気の押し上げを図る。原油先物は50日移動平均を上回り、一時的にテクニカルな買いが入った。

  市場はまた、トランプ氏が米国によるパナマ運河管理を復活させる考えを示したことや、イランに対する制裁強化、中国への関税賦課といった世界の原油の需給バランスに影響を及ぼしかねない同氏の方針を見極めようとしている。この日はドルが堅調に推移し、商品相場の上値を抑えた。

関連記事:トランプ氏の言動、就任前から世界に波紋-関税やウクライナ問題など

  IGアジアのマーケットストラテジスト、ジュンロン・イープ氏は「ホリデーシーズンでも市場はトランプ氏の言動から一息つけないようだ。同氏の発言が実際にどの程度実行に移されるのかとの疑問が再び広がっている」と述べた。

   ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物2月限は前日比86セント(1.2%)高の1バレル=70.10で終了。ロンドンICEの北海ブレント2月限は95セント(1.3%)上昇して73.58ドルで引けた。

  金相場は反発。来年の米利下げペース減速が見込まれる中、トレーダーは当局の政策を見極めようとしている。

  この日はまた、前日発表された12月の米消費者信頼感指数を消化する動きが続いた。トランプ次期政権の政策を巡り不透明感が広がる中、同指数は市場の予想外に低下した。

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  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は、7.30ドル(0.3%)高の1オンス=2635.50ドルで引けた。

原題:Stocks Buoyed as ‘Santa Claus Rally’ Period Begins: Markets Wrap(抜粋)

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