By 山口貴也

25年度予算が過去最大115.5兆円、税収は78.4兆円=政府筋

[東京 25日 ロイター] – 政府が近く閣議決定する2025年度一般会計予算案の全容が25日、判明した。景気回復に伴う税収増を想定することで新規国債発行額は28.6兆円と、17年ぶりに30兆円を割り込む。歳出総額は過去最大の115.5兆円とする方針を固めた。

複数の政府筋が明らかにした。与党などとの調整を踏まえ、27日に正式に決める。

歳出総額は2年ぶりに過去最大となる。前年度当初からは3.0兆円程度の増額とする。歳出のうち、社会保障費を含む一般歳出として68.2兆円計上するほか、地方交付税交付金に19.1兆円を充てる。国債費は1.2兆円増の28.2兆円とする。

国債利払い費の算出根拠となる長期金利の想定は2.0%と、前年から0.1%ポイント引き上げる。日銀の追加利上げに伴う金利先高観を反映する。想定金利を2%台とするのは12年度以来、13年ぶり。

歳入では、主財源となる税収を78.4兆円と想定する。好調な企業業績などを受けて前年当初からは8.8兆円増額。税外収入は0.9兆円増の8.5兆円となる。

次年度予算案では、国債費を除く基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)対象経費の大半を税収などで賄う。国のPB赤字は1兆円を割り込むとみられ、地方が黒字を維持できれば25年度の黒字化達成が視野に入る。

差額を補う新規国債発行額は前年当初から6.8兆円減額する。発行予定額を08年度当初(25兆3480億円)以来の低水準に抑え、財政健全化に配慮する姿も示す。

新規国債のうち建設国債の発行額は6.8兆円、赤字国債は21.9兆円とする方針も、併せて固めた。