Robert Tuttle
2025年1月14日 6:46 JST
- アルバータ州首相が週末にトランプ氏とフロリダ州で会談後に言及
- トランプ氏が「方針を変更する兆候は見られない」-スミス州首相
カナダの主要石油生産州であるアルバータ州のダニエル・スミス首相は13日、トランプ次期米大統領が来週就任すれば、カナダは米国の関税に備えるべきであり、石油も例外ではないと指摘した。
週末にトランプ氏とフロリダ州の私邸「マールアラーゴ」で会談した後に言及した。カナダのトルドー首相はMSNBCの番組で、トランプ氏がカナダからの輸入品に対し25%の関税を賦課するという脅しを実行に移した場合、報復関税で応じる用意があると表明した。
関連記事:トランプ氏が貿易戦争開始ならカナダは報復関税の用意-トルドー首相
スミス氏は記者会見で、「20日に実行される可能性が高いと覚悟しておく必要がある。方針変更の兆候は見られない」と述べた。
トレーダーやブローカーによると、カナダ産重質原油先物3月限は米国の指標原油に対するディスカウントが1バレル当たり約14.50ドルと、10日の約13.60ドルから拡大した。
トランプ氏はカナダに対する関税についてさまざまな理由を挙げてきた。当初は、米国との国境管理が改善されなければ関税を課すと発言。同氏の懸念に対応し、カナダは13億カナダ・ドル(約1400億円)規模の計画を発表した。最近では、貿易赤字によって米国からカナダは「補助金」を受けていると主張したほか、同国を米国の51番目の州にするために「経済力」を行使すると警告した。
米国が輸入する原油の半分強はアルバータ州を中心とするカナダ産で、価格は米指標のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)を下回る。日量約400万バレルに上るカナダ石油輸出のほぼ全量が米国向けとなっている。
US Sees Trade Surplus With Canada Outside of Energy
US trade balance on goods and services with Canada
Sources: National Bank of Canada, US Census Bureau
原題:Trump Tariffs Are Coming and Will Include Oil, Alberta Warns (2)(抜粋)