Rebecca Choong Wilkins、Josh Xiao
- 「われわれは貿易黒字を求めているのではない」-丁薛祥副首相
- 投資家に対する中国の魅力も強調、中国市場への参入を呼びかけ
中国の丁薛祥副首相は21日、同国が輸入を拡大する意向だと表明した。トランプ米大統領は就任初日となる前日、対中関税発動の発表を見送っていた。
丁氏はスイスのダボスで開催の世界経済フォーラム(WEF)で、「われわれは貿易黒字を求めているのではない。均衡の取れた貿易を促進するため、競争力のある質の高い製品やサービスの輸入を増やしたい」と述べた。国名は言及しなかった。
トランプ氏の大統領就任後、まだ間もないが、米中関係は予想外に友好的なスタートを切った。トランプ氏は米国内での中国系動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」使用禁止措置も一時的に停止し、米国側との何らかの取り決めを結ぶ時間的猶予をTikTokと親会社の字節跳動(バイトダンス)に与えた。
トランプ氏はまた、中国の習近平国家主席と会合や電話会談を開くつもりだと示唆し、中国から招待されていると説明した。ただ、詳細は示さなかった。
中国は輸入拡大に努めており、全体的に関税は7.3%と低水準に設定していると、丁氏は指摘。いわゆる「グローバルサウス」での影響力拡大を目指す中、中国は後発開発途上国と関税ゼロの取り決めを結んでいるとも同氏はアピールした。丁氏は中国共産党中央政治局常務委員7人のうちの1人。
中国の貿易黒字は昨年、21%増の9920億ドル(約154兆2700億円)と、年間ベースで過去最高となった。トランプ氏のホワイトハウス復帰を控え、国内の需要低迷を補うために企業が輸出を急いだことが影響した。
地政学的な緊張が高まる可能性がある中で、丁氏は投資家に対する中国の魅力も強調。企業にとっての障害を取り除くと約束し、より多くの外国企業による中国市場への参入を呼びかけた。
「中国の開放の扉は閉ざされることなく、さらに広く開かれる。われわれのビジネス環境は良くなる一方だ」と語った。
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原題:China Vows to Import More Goods After Avoiding Early US Tariffs(抜粋)