By Tim Reid

マスク氏側近、米人事管理局幹部に政府職員の個人データアクセス禁止

[ワシントン 31日 ロイター] – 米実業家イーロン・マスク氏の側近チームが、ホワイトハウスの人事管理局(OPM)に乗り込み、連邦政府職員の個人データを保存するコンピューターシステムに対してOPM幹部がアクセスするのを禁止している。OPM幹部2人が明らかにした。

マスク氏はトランプ大統領直属の新組織「政府効率化省」トップとして行政や歳出の無駄を削る取り組みを進めている。

トランプ氏自身も、官僚機構縮小と強い忠誠心を求める目的で、既に連邦政府職員に在宅勤務禁止などの方針に従えない場合は退職を勧奨すると通知するなど、政府組織の全面的な見直しに乗り出したところだ。

こうした中でマスク氏は、OPMに自らの側近を迅速に派遣。2人のOPM幹部の話では、その後何人かの上級職員がOPMのデータシステムを利用できなくなった。

このシステムには、政府職員の誕生日や社会保障番号、人事評価、自宅住所、給与等級、勤務年数など幅広い情報が登録されているという。

OPM幹部の1人は「われわれはマスク氏の側近がコンピューターとデータシステムをどう扱っているのか確認できない。これは重大な懸念を生んでいる」と明かし、監視されないのでサイバーセキュリティー上の問題やハッキングの危険を招くと警告した。

マスク氏の側近チームはOPMの本部にソファーベッドまで持ち込み、24時間作業する態勢を敷いている、とOPM職員の1人が語った。