日米首脳会談

アメリカを訪れた石破総理大臣は、トランプ大統領と初めて会談し、日米同盟をインド太平洋地域の平和と安全の礎だと位置づけ、同盟の抑止力と対処力を強化することで一致しました。
また共同記者会見で、アメリカへの投資額を1兆ドルの規模まで引き上げたいとしたほか、日本製鉄によるUSスチールの買収計画は投資としての意味合いがあり一方的な利益にはならないという認識を共有したと明らかにしました。

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石破首相「力を合わせさらに世界が平和に」

石破総理大臣は訪問先のワシントンでトランプ大統領と初めての日米首脳会談を行い、冒頭、「日本とアメリカは今、非常に緊密な関係にあるが、それはすべて1期目のトランプ政権でトランプ大統領と、今は亡き安倍元総理大臣との2人によって礎が築かれた。今後もトランプ大統領と私、そしてアメリカと日本が力を合わせ、さらに世界が平和になり、人々が夢と希望を持って生きていくことができるよう努めていきたい」と述べました。

その上で、トヨタ自動車や大手トラックメーカーのいすゞ自動車がそれぞれアメリカで新たな工場の建設などを計画していることを説明しました。

続いて食事をとりながら意見を交わす「ワーキングランチ」を行ったあと、両首脳はそろって記者会見し共同声明を発表しました。

それによりますと、両首脳は世界に平和と繁栄をもたらす日米関係の新たな黄金時代を追求するとしています。

そして安全保障分野では、日米同盟をインド太平洋地域の平和と安全の礎だと位置づけた上で、同盟の抑止力と対処力をさらに強化するとしています。

また沖縄県の尖閣諸島にアメリカの防衛義務を定めた日米安全保障条約の第5条が適用されることを確認しています。

経済分野では、二国間の投資と雇用を大幅に増加するほか、AIや半導体などの重要技術の開発で世界をけん引するために協力するとしています。

さらに、互いに利益のある形でアメリカのLNG=液化天然ガスの日本への輸出を増やすことでエネルギー安全保障を強化する方針を盛り込んでいます。

一方、石破総理大臣は共同記者会見で「日本は経済面でもアメリカにとって最も緊密なパートナーだ。きょう私から『対米投資額を1兆ドルという、いまだかつてない規模まで引き上げたい』とトランプ大統領に伝えた」と明らかにしました。

また、日本製鉄によるUSスチールの買収計画について「トランプ大統領からも言及があったように、買収ではなく投資だ。日本の技術も加えて良い製品を作り出し、それが日本とアメリカ、そして世界に貢献できる製品が生み出されていることに日本も投資を行う。どちらかが利益を得るというような一方的な関係にならないことを大統領との間で強く認識を共有した。大きな成果だと考えている」と述べました。

トランプ大統領「対日貿易赤字を解消させる」

アメリカのトランプ大統領は7日、ホワイトハウスで石破総理大臣との初めての首脳会談を行いました。

会談後の共同記者会見で、トランプ大統領は「慢性的な貿易赤字はわが国の経済を弱体化させている。日本との貿易赤字は1000億ドルを超えているが、これを解消するつもりだ」と述べ、アメリカの日本に対する貿易赤字は巨額で、解消すべきだという考えを強調しました。

その上で「率直に言えば原油とガスだけですぐに解決できると思っている。それを非常に迅速に実行するつもりだ」と述べ、日本がアメリカ産のLNG=液化天然ガスの輸入量を大幅に増やすことになったとした上で、アラスカで産出される石油とガスについて日本との共同事業に向けた協議を進めていると述べました。

また、日本製鉄が買収することで合意している大手鉄鋼メーカー、「USスチール」について「われわれにとってとても重要な会社だ。私たちは、その会社がなくなってしまうのを見たくなかった。買収は心象的によくない」と述べました。

その上で、トランプ氏は「買収ではなく、多額の投資を行うことで合意した。来週、経営トップと会う予定だが、とても素晴らしい会社だ」と述べました。

一方、安全保障分野については「アメリカは日本の安全保障に全面的に関与する。われわれはアメリカの抑止力を拡大させていく」と述べた上で、日本が防衛費を増額する方針であることに触れ、「さらに増えるのを楽しみにしている」と述べました

【詳細】共同会見での発言

石破首相 トランプ大統領「誠実で強い使命感持たれた方」

石破総理大臣は共同記者会見で初めて対面で会談をしたトランプ大統領の印象について「今まで何年も何年もほとんど毎日、テレビでみていたので間近に見ることの感動は格別なものがある」と述べました。
その上で「テレビでみると声高で、かなり個性強烈で、恐ろしい方だという印象がなかったわけではないが、実際にお目にかかると本当に誠実な、アメリカや世界に対する強い使命感を持たれた方だということをお世辞をまったく抜きに感じた」と述べました。

石破首相「日米関係の新たな黄金時代を」

石破総理大臣は共同記者会見で「トランプ大統領と胸襟を開いて、率直に意見を交わすことができ、内容も充実した非常に有意義な会談となった。新たな『船出』となった会談の成果として発表する共同声明は今後の日米協力のいわば『羅針盤』となる文書だ。この成果をもとにトランプ大統領とともに日米関係の新たな黄金時代を築いていきたい」と述べました。

石破首相「対米投資額を1兆ドルに」

石破総理大臣は共同記者会見で「日本は経済面でもアメリカにとって最も緊密なパートナーだ。トランプ大統領の就任を受け日本企業の対米投資の機運はいっそう高まっている。きょう私から『対米投資額を、1兆ドルといういまだかつてない規模まで引き上げたい』とトランプ大統領に伝えた」と明らかにしました。

石破首相 USスチール「買収ではなく投資」

石破総理大臣は共同記者会見で日本製鉄によるUSスチールの買収計画について「トランプ大統領からも言及があったように、買収ではなく投資だ。日本の技術も加えて良い製品を作り出し、それが日本とアメリカ、そして世界に貢献できる製品が生み出されていることに日本も投資を行う。どちらかが利益を得るというような一方的な関係にならないことを大統領との間で強く認識を共有した。大きな成果だと考えている」と述べました。

石破首相 関税「互いの利益となる形で」

石破総理大臣は共同記者会見で両国間の関税をめぐるやり取りについて問われ「関税は互いの利益となるような形で設定されるべきものだ。日本はかつてない規模の投資をアメリカに行い、多くの雇用を創出するということで、1兆ドルを視野にさらに拡大させていく。それはアメリカの利益であると同時に、日本の利益でもなければならない。投資とはそういうものだ」と述べました。

石破首相「LNG輸入 日本にも大きな国益」

石破総理大臣は共同記者会見でアメリカからLNG=液化天然ガスの輸入を増やす方針について「LNGのみならずバイオエタノールやアンモニアという資源が安定的にリーズナブルな価格で提供されることは日本にとって大きな国益だ。アメリカの対日貿易赤字を減らすことにもつながるものでLNGの採掘が成功裏につながることを期待している」と述べました。

石破首相「LNG輸出増加も含め協力」

石破総理大臣は共同記者会見で「相互に利益のある形でアメリカから日本へのLNG=液化天然ガスの輸出増加も含め、両国間でエネルギー安全保障の強化に向けて、協力していくことを確認した」と述べました。

石破首相「財務相の間で為替議論へ」

石破総理大臣は共同記者会見で「為替については1期目のトランプ政権の時と同様に、日米の財務大臣の間で緊密な議論を継続させていくことになった」と述べました。

石破首相「拉致問題解決へ期待は大きい」

石破総理大臣は共同記者会見で拉致問題について「拉致被害者もそうだが、ましてや家族はもっと高齢化しており、時間的にあまり余裕はない。拉致問題は日本の問題であることをよく認識しながらトランプ大統領のさらなる力、行動に期待するところは大きい」と述べました。

石破首相「防衛費増額 米との意思疎通は当然必要」

石破総理大臣は共同記者会見で日米同盟の強化について「日本とアメリカが力を合わせて、世界の平和のため地域の安定のため、お互いが責任を果たしていくことで一致した。防衛費の増額はアメリカに言われて日本がやることではない。日本が日本のためにみずからの責任で決断すべきものだが同盟国のアメリカとの意思疎通は当然必要だ」と述べました。

石破首相「北朝鮮の非核化へ連携」

石破総理大臣は共同記者会見で「北朝鮮については、世界にとって深刻な脅威となっている核・ミサイル開発への対処の必要性や、完全な非核化に向けて、日米が連携して取り組んでいくことを確認した」と述べました。
また拉致問題について「拉致被害者と、その家族が高齢となる中で私の強い切迫感と決意を直接伝え、問題の即時解決に向けたトランプ大統領の力強い支持を改めていただいた」と述べました。

石破首相「同志国との協力積み上げで一致」

石破総理大臣は共同記者会見で「日米豪印のクアッドや日本とアメリカに韓国やフィリピンを加えた3か国での協力など地域の重層的な同志国ネットワークの協力をいっそう積み上げていくことでも一致した」と述べました。

石破首相「台湾海峡の平和と安定の重要性も確認」

石破総理大臣は共同記者会見で、中国を念頭に「力や威圧による一方的な現状変更を許さず、東シナ海や南シナ海でのそうしたいかなる試みにも反対するという決意を確認した。同時に台湾海峡の平和と安定の重要性も改めて確認した」と述べました。

石破首相「安保条約第5条 尖閣諸島に適用を確認」

また石破総理大臣は「日米安全保障条約の第5条が沖縄県の尖閣諸島に適用されることを改めて確認した」と述べました。

石破首相「日本の防衛へのアメリカの揺るぎない関与を確認」

また石破総理大臣は「私からは同盟国として責任をアメリカと共有し役割を果たす用意があると伝えた。また日本の防衛力の抜本的強化に向けた取り組みへの決意を改めて表明し、日本の防衛に対するアメリカの揺るぎない関与を確認した」と述べました。

石破首相「日米同盟の抑止力と対処力をともに高める」

また石破総理大臣は「日米両国の国益を相乗的に高め、インド太平洋地域に平和と繁栄をもたらすためになすべきことは『自由で開かれたインド太平洋』の実現に向けた『力強く揺るぎない日米同盟』のさらなる強化だと確信している。トランプ大統領との間で日米同盟の抑止力と対処力をともに高め、地域の課題に緊密に連携して向き合っていくことを確認した」と述べました。

石破首相 質問への返しで笑い起きる一幕も

石破総理大臣は共同記者会見で、アメリカのメディアから「もしアメリカが日本に関税をかけたら報復関税をかけるのか」と質問されたのに対し「『仮定のご質問にはお答えを致しかねます』というのが日本の定番の国会答弁だ」とかわし、トランプ大統領が直ちに「とても良い答えだ」と述べたこともあって、大きな笑いが起きる一幕がありました。

トランプ大統領 石破首相の対応に「とてもいい答えだ」

会見の終盤、石破総理大臣は、アメリカ側のメディアから、アメリカが日本からの輸入品に関税を課した場合の対応を問われましたが、「『仮定のご質問にはお答えを致しかねます』というのが日本の定番の国会答弁だ」とかわしました。

これを同時通訳で聞いたトランプ大統領は直ちに「とてもいい答えだ。なんていい答えなんだ。石破総理大臣はやるべきことがわかっている。ありがとう」とにこやかに述べて会見を締めくくりました。

トランプ大統領「AIなど最先端へ何ができるか話し合った」

トランプ大統領は共同記者会見で「われわれはきょうAIや量子コンピューター、半導体やその他の重要な技術において最先端を走り続けるため、日米両国がさらに何ができるかを話し合った」と述べました。

トランプ大統領「日本はすばらしい国」

トランプ大統領は記者会見で「日本はすばらしい国だ。強く、誇り高い国だ。世界の歴史上、偉大な文明のひとつを有する国だ。80年近くにわたって日米両国は、他国ではほとんど見られないような、海を越えたすばらしい友情を享受してきた。歴史、商業、文化、そして大いなる尊敬の絆で結ばれている。きょうの会談を経て、私は日米両国とその他の国々との間の大切な同盟関係が将来にわたって長く繁栄し続けると確信している」と述べました。

トランプ大統領「USスチール 所有ではなく多額の投資で合意」

アメリカのトランプ大統領は記者会見で日本製鉄によるUSスチールの買収計画について、「彼らはUSスチールを所有するのではなく、多額の投資をすることで合意した。これは非常にエキサイティングなことだ」と述べました。

トランプ大統領「日本が記録的な量の米産LNG輸入を開始」

トランプ大統領は記者会見で「日本がまもなく記録的な量のアメリカ産のLNG=液化天然ガスの輸入を新たに開始すると発表できることをうれしく思う」と述べました。

その上で「アラスカは日本から最も近い石油やガスの主な産地で、ほかの場所と比べると距離は半分以下だ。アラスカの石油とガスに関し、日米の間で何らかの共同事業を行うことについて話していて、非常に興奮している」と述べました。

トランプ大統領「対日貿易赤字 すぐに解消」

トランプ大統領は共同記者会見で「慢性的な貿易赤字はわが国の経済を弱体化させている。日本との貿易赤字は1000億ドルを超えているが、これを解消するつもりだ。率直に言えば原油とガスだけですぐに解消できると思っている。それを非常に迅速に実行するつもりだ」と述べました。

トランプ大統領「経済関係 念入りに話した」

トランプ大統領は記者会見で「2国間の重要な経済関係とその継続について長く、念入りに話をした。アメリカと日本は年間3000億ドル以上のモノやサービスの貿易を行っている。日本は8000億ドル近くの投資を行っており、投資は今後数か月間でほかのどの国よりも増加し、日本は競争力を得るだろう」と述べました。

トランプ大統領「朝鮮半島の安全と安定に取り組む」

トランプ大統領は記者会見で「私が1期目に始めた朝鮮半島の安全と安定に向けた取り組みに引き続き関与する」と述べました。

トランプ大統領「北朝鮮とつながりを持つ」

トランプ大統領は記者会見で「われわれは北朝鮮とつながりを持つ。私はキム・ジョンウン(金正恩)総書記と とても仲がよかった。とてもいい関係で、彼と仲よくなれたことはみんなにとって大きな財産だと思う。日本もその考えを気に入っている」と述べました。

トランプ大統領「中国の経済的な攻勢に対抗で協力」

トランプ大統領は記者会見で「われわれは、中国の経済的な攻勢に対抗するため、さらに緊密に協力することで合意した」と述べました。

トランプ大統領「軍事輸出品や装備品の購入 最も多い国の1つ」

トランプ大統領は共同記者会見で、「日本はアメリカの軍事輸出品や装備品の購入が最も多い国の1つだ」と述べました。

その上で、アメリカ政府は日本に対し、およそ10億ドル、日本円にしておよそ1500億円の防衛装備品などの売却を承認したと明らかにしました。

トランプ大統領「インド太平洋地域に力による平和を」

トランプ大統領は共同記者会見で「平和と安全を維持するために石破総理大臣と緊密に連携し、インド太平洋地域に力による平和をもたらす」と述べました。

トランプ大統領「日本の安全保障に全面的に関与」

トランプ大統領は共同記者会見で「アメリカは日本の安全保障に全面的に関与する。われわれはアメリカの抑止力を拡大させていく」と述べました。

トランプ大統領「大変光栄 写真を撮った」

トランプ大統領は記者会見で「石破総理大臣とごいっしょできて大変光栄だ。少し前に一緒に写真を撮りとてもすてきだったので、ここで見せようと思った。これがその写真だ。私も彼のようにハンサムでありたいが、そうではない」と述べました。

石破首相は

ワシントンを訪れている石破総理大臣は、日本時間の午前2時前からホワイトハウスでトランプ大統領との初めての日米首脳会談に臨み、はじめに同席者を限定した少人数の会談をおよそ30分間、行いました。

この中で、石破総理大臣は「安倍元総理大臣の婦人の昭恵さんを通じて、トランプ大統領から頂いた本にはピースと書かれており、非常に感銘を受けた。トランプ大統領の深い思いが込められていると感じた」と述べました。

その上で、トランプ大統領が大統領選挙の演説中に銃撃された際の写真に触れ「ひるむことなく立ち上がり、拳を天に突き上げた写真が非常に印象的だった。背後には星条旗があり、青い空が映っており、おそらく歴史に残る一枚だ」と述べました。

そして「私も総理大臣に就任して以来、地方創生を掲げている。それは日本には地方を中心に、忘れ去られ、寂しい思いを持った人がたくさんおり、そういう人たちに、もう一度夢と希望を持ってもらいたいという思いに基づくものだ」と説明しました。

さらに「日本とアメリカは今非常に緊密な関係にあるが、それはすべて1期目のトランプ政権でトランプ大統領と、今は亡き安倍元総理大臣との2人によって礎が築かれた。今後もトランプ大統領と私、そしてアメリカと日本が力を合わせ、さらに世界が平和になり、さらに人々が夢と希望を持って生きていくことができるよう努めていきたい」と述べました。

両首脳は午前2時半前から食事をとりながら意見を交わす「ワーキングランチ」に臨んでいて、終了後にはそろって記者会見を行うことにしています。

また、会談の成果を共同声明として発表することにしています。

トランプ大統領は

アメリカのトランプ大統領は7日、ホワイトハウスの執務室で石破総理大臣と会談しました。

トランプ大統領は、会談の冒頭、「石破総理大臣と会えて大変光栄だ。彼は非常に尊敬されている人物で、すばらしい仕事をしている。石破総理大臣は日本国民からとても好かれている。彼を執務室に迎えることができて本当に光栄だ」と述べて歓迎の意を示しました。

その上で、「アメリカは日本に対しておよそ1000億ドルの赤字を抱えている。しかし、私たちはそれを縮小し、対等な関係にまで持っていきたい。簡単にできると思う。それが私のやりたいことだ」と述べて、貿易赤字の削減に向け日本の協力を求めました。

また、トランプ大統領は記者団からの質問にも答えました。

この中で、トランプ大統領は「北朝鮮について議論する。これは常に議題になることだ」と述べました。

日本製鉄によるUSスチールの日本製鉄による買収計画をめぐり考えを変えたかと問われたのに対しては、「われわれはきょう、それについて話し合うだろう。考えを変えてはいないが、とてもよい情報が得られると聞いている」と述べました。

さらに自動車への関税については「常に検討している」と述べました。

石破首相周辺「予想以上の成果ではないか」

石破総理大臣の周辺は日米首脳会談のあとNHKの取材に対し「入念な準備をして臨んだが、予想以上の成果ではないか。ケミストリーがあうのかもしれない」と述べました。

「ワーキングランチ」始まる

石破総理大臣とアメリカのトランプ大統領との初めての日米首脳会談は、少人数での会談をおよそ30分間行ったのに続き、先ほど日本時間の午前2時半前から食事をとりながら意見を交わす「ワーキングランチ」が始まりました。終了後には、両首脳がそろって記者会見を行うことにしています。

    【詳細】日米首脳会談での発言

    ※データ放送ではご覧になれません

    石破首相 関税「お互いの利益になることが重要」

    石破総理大臣は日米首脳会談で、両国間の関税の扱いについて「お互いの利益になることが重要だ。アメリカの発展、そして日本の発展のために有益な制度となることを期待している。具体的なことは、これからだ」と述べました。

    石破首相「トヨタといすゞが工場を」

    石破総理大臣は日米首脳会談で「トヨタ自動車の豊田章男会長はトランプ大統領が再び就任することを心待ちにしていた。トヨタ自動車は、アメリカで工場を拡張・新設する計画を近々、実行する。4月から本格的に稼働する」と述べました。
    また、大手トラックメーカーのいすゞ自動車についても「まだ発表していないが、近々アメリカに工場を建設し、多くの雇用をつくることを決定した」と述べました。

    石破首相「対米投資を伸ばしていきたい」

    石破総理大臣は日米首脳会談で、通信大手ソフトバンクグループの孫正義社長が先にアメリカに巨額の投資を行うと発表したことに触れ「日本のアメリカに対する投資は、この5年間、連続して世界一であり、これから先、もっと伸ばしていきたい」と述べました。

    トランプ大統領「他国と互恵的な貿易実施 発表予定」

    トランプ大統領は会談の冒頭「私は来週、他国と互恵的な貿易を行うことについて発表する予定だ。望んでいるのは、これ以上でも以下でもない。来週、貿易だけではなく、ほかにもいろいろなことを発表するつもりだ」と述べました。

    トランプ大統領「シンゾウは私のすばらしい友人だった」

    トランプ大統領は会談の冒頭、安倍元総理大臣について「シンゾウは私のすばらしい友人だった。彼の身に起こったことは恐ろしく、これほどまでに悲しい気持ちになったことはなかった」と述べました。
    その上で石破総理大臣については「シンゾウはあなたに多大な敬意を抱いていた。あなたも彼の親しい友人であったことを知っている。あなた方と会えたことを光栄に思う」と述べました。

    トランプ大統領「対日赤字縮小し対等な関係に」

    トランプ大統領は会談の冒頭「アメリカは日本に対しておよそ1000億ドルの赤字を抱えている。日本がとても優れた交渉者であり、驚くことではない。しかし、私たちはそれを縮小し、対等な関係にまで持っていきたい。簡単にできると思う。それが私のやりたいことだ。他の国々も、赤字についてはアメリカと対等な関係にしていきたい」と述べました。

    トランプ大統領「石破総理大臣と会えて大変光栄だ」

    トランプ大統領は会談の冒頭、「石破総理大臣と会えて大変光栄だ。彼は非常に尊敬されている人物で、すばらしい仕事をしている。石破総理大臣は日本国民からとても好かれている。彼を大統領執務室に迎えることができて本当に光栄だ」と述べました。

    トランプ大統領 自動車関税「常に検討している」

    トランプ大統領は、会談の冒頭、記者団からアメリカに輸入される自動車に対する関税について問われたのに対し、「それは常に検討している」と述べました。

    トランプ大統領 USスチール「とてもよい情報が得られる」

    トランプ大統領は、会談の冒頭、記者団から日本製鉄によるUSスチールの買収計画について問われたのに対し、「それについてとてもよい情報が得られると聞いている」と述べました。

    トランプ大統領 USスチール売却「きょう話し合う」

    トランプ大統領は、会談の冒頭で記者団からUSスチールの売却について考えを変えたかと問われたのに対し、「いいえ。われわれはきょう、それについて話し合うだろう」と述べました。

    トランプ大統領「北朝鮮について議論する」

    トランプ大統領は会談の冒頭、記者団に対し「北朝鮮について議論する。これは常に議題になることだ」と述べました。

    トランプ大統領「来週 ゼレンスキー大統領と会談」

    トランプ大統領は会談の冒頭、記者団に対し、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり「おそらく来週、ゼレンスキー大統領と会談する。プーチン大統領とも話すだろう。あの戦争が終わるのを見たい」と述べ、来週にも首都ワシントンでゼレンスキー大統領と会談する可能性を示しました。

    トランプ大統領 ガザ地区対応「何も急ぐことはない」

    トランプ大統領はパレスチナのガザ地区への対応について記者団から問われ、「何も急ぐことはない。われわれがそこにいる事実、そこに投資しているという事実が平和につながると思う」と述べました。
    トランプ大統領はガザ地区をアメリカが長期的に所有して再建すると主張し、地区の住民を別の場所に移住させるべきとの考えを示しています。

    石破総理大臣はトランプ大統領が就任後に対面で会う2人目の外国首脳となります。

    今回の会談で石破総理大臣はトランプ大統領と率直な意見交換を行い、首脳どうしの個人的な信頼関係を築きたいとしています。

    また安全保障分野では日米同盟がインド太平洋地域の平和と安定の礎だという認識のもとで、抑止力と対処力のさらなる強化で一致したい考えです。

    さらに中国の動向をめぐり、沖縄県の尖閣諸島にアメリカの防衛義務を定めた日米安全保障条約の第5条が適用されることを確認し、台湾海峡の平和と安定の重要性も共有したいとしています。

    これに加えて
    ▽外務・防衛の閣僚協議、いわゆる「2プラス2」の早期開催や、
    ▽自衛隊とアメリカ軍の指揮・統制の向上、
    ▽防衛装備品の技術協力の促進なども確認したい考えです。

    一方、経済分野ではアメリカに対する日本の巨額投資が雇用の創出にも貢献していることを説明し、両国の国益に沿う協力関係の構築を目指す方針です。

    そして、トランプ大統領にできるだけ早く日本に招待したいと伝えることにしています。

    日米両政府は会談の成果を盛り込んだ共同声明を発表する方向で調整を進めていて、会談終了後には、両首脳がそろって記者会見を行うことにしています。

    トランプ大統領が出迎え【動画も】

    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250207/movie/k10014716491_202502080218_202502080219.html【動画】石破首相が到着 トランプ大統領が出迎える様子(25秒)

    アメリカのトランプ大統領は7日午前11時50分ごろ、日本時間の8日午前1時50分ごろホワイトハウスで石破総理大臣を出迎えました。

    両首脳は握手を交わしたあと、ならんで報道陣に笑顔で手を振り、トランプ大統領は「日本が好きだ」と述べました。そして2人はホワイトハウスの建物の中に入りました。

    少人数の会合に岩屋外相らが同席

    石破総理大臣とアメリカのトランプ大統領との初めての日米首脳会談は、同席者を限定した少人数の会合に、日本側からは岩屋外務大臣、橘官房副長官、岡野国家安全保障局長が同席しました。8日未明 日米首脳会談 石破首相 両国の関係強化を図る考え日米首脳会談 外交・安全保障めぐる注目点は日米首脳会談 経済安全保障 防衛産業協力などで意見交わすか日米首脳会談 経済めぐる注目点は

    米政府高官「地域の脅威を確実に抑止するため協力」

    アメリカ政府高官は7日午前、トランプ大統領と、石破総理大臣による日米首脳会談に先立って記者団への説明を行いました。

    この中でアメリカ政府高官は日米同盟の重要性について「アメリカは日本との長く緊密な同盟関係を誇りに思っており、日米関係はインド太平洋に平和と繁栄をもたらす新時代を迎えている。両国は、あらゆる防衛力を通じて地域の脅威を確実に抑止するため、引き続き協力していく」と述べました。

    その上で、安全保障をめぐっては「防衛装備や技術の協力強化について意見を交わすことになる」と述べたほか、サイバーセキュリティー能力の向上や、宇宙分野での協力の拡大、それにAIや半導体などの先端技術の開発に向けた共同事業の促進などについても話し合うとしています。

    また、日本と韓国との3か国の協力を引き続き支持し、ともに北朝鮮の非核化に取り組む考えは変わらないと強調しました。

    一方、経済分野では「トランプ大統領は、アメリカのエネルギー輸出を世界に向けて開放することを目指している」と述べ、日本によるアメリカ産のエネルギー資源の購入が主要な議題のひとつとなるという認識を示しました。

    また、「トランプ大統領は貿易赤字に大きな関心を寄せている」としてアメリカの対日貿易赤字が議題になるとしたほか、「日本からアメリカへの投資について議論も行われるだろう」と述べました。