
[19日 ロイター] – 米マイクロソフト(MSFT.O), opens new tabは19日、量子コンピューター用チップ「マヨラナ1」を公開した。量子コンピューターの実用化は「数十年単位ではなく数年単位」になったことが証明されたとしている。
量子コンピューターは、現在のコンピューターシステムで数百万年かかる計算を迅速に処理し、医学や化学など多くの分野で新たな発見をもたらす可能性を秘めている。
ただ最大の課題は情報処理の基本単位とされる「量子ビット(キュービット)」の制御が難しく、エラーが起きやすいことだ。
マイクロソフトは、マヨラナ1では競合製品に比べてこうしたエラーが発生しにくいと説明。今後の科学誌ネイチャー上でその証拠となる論文が発表されると付け加えた。
マヨラナ1は開発に20年近くを要し、1930年代に初めて理論化されたマヨラナフェルミオンの素粒子に依拠する製品。この素粒子は量子コンピューターのエラーを起こしにくくする性質を持つが、制御が困難な面がある。
マイクロソフトによると、マヨラナ1は超伝導ナノワイヤーを駆使して粒子を観測し、標準的なコンピューター装置で制御が可能になるという。