▽トランプ・サーチャージで報復、加オンタリオ州が電力料金25%上乗せ<bloomberg日本語版>2025年3月11日 1:47 JST
Melissa Shin
- 「米国の人々には申し訳ない。責任はトランプ氏にある」-州首相
- 実際の価格は短期の需給が決定、上乗せは象徴的な意味合い強い
米国に電力を輸出するカナダのオンタリオ州は、トランプ米大統領が発動した関税への報復措置として、米国向け電力価格を25%引き上げた。
オンタリオ州は送電網を運営する独立系統運用者(IESO)に、ミネソタ、ミシガン、ニューヨーク3州向けの電力全てを対象に1メガワット時当たり10カナダ・ドル(約1020円)の料金上乗せを指示した。
オンタリオ州のフォード首相は「本当のところ、こんなことは望んでいない。米国の人々に申し訳なく思っている」と語った。「責任はただ一人、トランプ大統領にある」と述べた。
フォード氏は先週の時点で、料金上乗せを公約していた。カナダ製品に対する関税が発動されたことが理由。トランプ氏が米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に準拠する自動車やその他製品の除外に同意した後も、フォード氏は電力料金上乗せを実行に移すとしていた。
加オンタリオ州、米3州向け電力に25%の輸出税導入へ-米関税に報復
オンタリオ州の決定は象徴的な意味合いが強い可能性がある。同州が電力を売る米電力スポット市場では、短期的な需給に基づいて価格が決定する。つまり買い手に選択権があり、必ずしも高い価格を受け入れざるを得ないわけではない。
オンタリオ州はこの上乗せ料金により、1日あたり最大40万カナダ・ドルの利益を見込んでおり、「同州の労働者や家族、企業を支援するために使用される」と声明で説明した。
原題:Ontario Hikes US States’ Electricity Prices in Trade Retaliation(抜粋)