▽【今朝の5本】仕事を始める前に読んでおきたい厳選ニュース<bloomberg日本語版>2025年3月12日 6:00 JST
- ウクライナが30日停戦案に同意、トランプ氏とカナダが市場振り回す
- GPIFは方針維持、広がる米企業の業績不安、米景気後退の確率
マーケットで話題になったニュースをお届けします。一日を始めるにあたって押さえておきたい5本はこちら。
現状打破
ウクライナは米国が提案したロシアとの30日間停戦を受け入れる用意があると発表した。サウジアラビアで米国と協議後、ウクライナ大統領府が共同声明をウェブサイトに掲載した。ウォルツ米大統領補佐官(国家安全保障担当)はこの案をロシアに持って行き、合意を探るとジェッダで記者団に語った。トランプ大統領もウクライナへの情報共有と安全保障の支援再開に同意。共同声明によると、ウクライナと米国は天然資源取引を可及的速やかに締結することでも合意した。
二転三転
トランプ米大統領はカナダの鉄鋼およびアルミニウムに対する関税を50%に引き上げると述べた数時間後、この計画を見直していると明らかにした。トランプ氏は朝方、カナダのオンタリオ州が米国向けの電力価格に25%上乗せしたことへの報復として、カナダ産鉄鋼・アルミ関税の引き上げを表明していた。しかし、オンタリオ州のフォード首相は電力価格上乗せの停止を表明。これが関税引き上げ方針の撤回につながるかとの記者団の質問に対し、トランプ氏は「それについては検討中だが、おそらくそうなる」と語り、「追って知らせる」と続けた。
配分維持
公的年金を運用する年金積立管理運用独立法人(GPIF)は、国内外の株式と債券に25%ずつ配分する現在の基本ポートフォリオを2025年度以降も維持する方針を固めたと、日本経済新聞(電子版)が報じた。現在の資産構成割合でも運用目標利回り(賃金上昇率を1.9%上回る水準)を達成できると判断したという。
業績不安
米国経済への懸念が高まる中、個人消費の減少が加速していることを受け、航空業界や小売り業界で今後の業績への不安が広がっている。アメリカン航空グループとデルタ航空は相次いで業績見通しを下方修正した。航空業界の動きと、スポーツ用品小売りのディックス・スポーティング・グッズや、小売り大手コールズの弱気な業績予想が相まって、米国株式市場は急落している。ウォルマートのダグ・マクミロン最高経営責任者(CEO)は最近、シカゴ経済クラブで1000人の経営者に対し、米国の消費者は「ストレス行動」を示していると語った。
確率50%
サマーズ元米財務長官はトランプ政権の政策方針で信頼感が損なわれていることを理由に、米国が今年リセッション(景気後退)に陥る確率は五分五分に近いと、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで発言。その上で、米連邦公開市場委員会(FOMC)は来週の会合で、「不確実性が経済にもたらしている極めて甚大な損害を強調する必要がある」とし、「こうした不確実性に彼らが対応できる能力は非常に限られているということも指摘しなければならない」とサマーズ氏は語った。
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