▽春闘 大手企業中心に賃上げ高水準 中小企業などへの波及焦点に

ことしの春闘は、12日が集中回答日で、大手企業を中心に高い水準での賃上げが相次ぎました。これからは、賃上げの流れが中小企業や非正規雇用で働く人に波及し、大手との格差是正につながるかが焦点です。

繊維化学、流通、サービス業など、およそ2200の組合でつくる産業別労働組合で、中小企業やパートなどの非正規雇用で働く人が多く加入する「UAゼンセン」の事務所には12日夜、大手企業を中心に交渉の結果が次々と報告され、人手不足などを背景に、満額や要求を超える高い水準の回答が相次ぎました。

中には、パート従業員の賃上げ率が正社員を上回る回答もあり、このうち、
▽ドラッグストアの「ウエルシア薬局」は、時給で83円の引き上げ、
▽百貨店の「三越伊勢丹ホールディングス」は78円、
▽スーパーマーケットの「ライフ」は74円の引き上げとなりました。

これから春闘は賃上げの流れが、今後、労使交渉が本格化する中小企業や非正規雇用の人に波及し、大手との格差是正につながるかが焦点です。

UAゼンセンの永島智子会長は「物価上昇を上回る賃上げに向け、手応えを感じている。中小企業と非正規雇用の賃上げが最大のポイントだと思うので、今後も強く働きかけていきたい」と話していました。