▽ホワイトハウス、判事命令と「矛盾ない」-戦時法行使の容疑者移送で

Jennifer A Dlouhy

  • 連邦裁判事は差し止め令発出、政府は数百人をエルサルバドルに移送
  • 移送の正確なタイミングは不明、容疑者特定の方法も明かされず
犯罪集団メンバー容疑者らを乗せてエルサルバドルのテロリスト収容センターに到着したバス
犯罪集団メンバー容疑者らを乗せてエルサルバドルのテロリスト収容センターに到着したバス Photographer:  El Salvador Presidency

トランプ米政権はベネズエラの犯罪集団トレン・デ・アラグア(TdA)のメンバーと疑われる数百人を逮捕し、週末にエルサルバドルの収監施設に移送したことについて、裁判所の命令に反していないと主張した。米連邦地裁判事はこうした移送の一部に差し止めを命じていた。

  ホワイトハウスのレビット報道官はソーシャルメディア「X(旧ツイッター)」に「裁判所の命令は法的な根拠を欠いており、TdAの外国人テロリストらがすでに米領土から排除された後に、発出された」と投稿。「文書による命令と政府の行動の間に矛盾はない」と述べた。

  レビット氏はさらに、大統領には外交に従事し「外国人テロリストを米領土から排除し、宣言されている侵略を撃退する」権限があることが憲法に定められていると主張した。

  エルサルバドルのブケレ大統領はXへの投稿で、ルビオ米国務長官が仲介した合意に基づき、国内のテロリズム抑制センターに238人の犯罪集団メンバーが移送されたことを明らかにしている。

  移送の正確なタイミングは現時点で明らかになっていない。ベネズエラ人をどうやってTdAメンバーと特定したのかについても、米政府は詳細を公にしていない。TdAは外国テロ組織に指定されている。

  トランプ大統領は15日、敵性外国人法に基づく権限を行使し、不法移民の送還を強化すると布告。同法は第2次大戦中に日系米国人の強制収容を正当化するために使われたこともある戦時法だ。

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犯罪集団メンバー容疑者らを乗せてエルサルバドルのテロリスト収容センターに到着したバス出所:エルサルバドル大統領府

原題:White House Defends Expelling Hundreds Despite Court Order(抜粋)