▽債券市場に「石破リスク」、40年債利回り過去最高-入札懸念強まる
山中英典
債券市場で国内政治リスクへの懸念が健在化してきた。金利上昇に歯止めがかからず、27日に行われる40年国債入札への懸念が高まっている。
新発40年国債利回りは17日に一時3%と、前週末から7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、2007年の同債発行開始後で初めて3%台に乗せた。新発30年国債利回りは一時2.63%と06年以来の高水準を付け、2.0%台の中国の30年国債利回りを大きく引き離す。

商品券配布問題で打撃を受けた石破茂内閣の支持率が低下。7月の参院選に向けて財政拡張的な政策が掲げられる可能性が浮上し、財政悪化懸念に伴う債券の需給不安から超長期金利は上昇(価格は下落)を続ける。
アクサ・インベストメント・マネージャーズの木村龍太郎債券ストラテジストは、超長期債は最近の下落で損失を抱えた投資家が多いとみられる中、政治的リスクがにわかに意識されてさらに売られていると指摘。「新年度に入れば生命保険会社が超長期に買いを入れるとの期待が当てにできなくなる」と話す。
日本銀行の追加利上げによる金利先高観を背景に、今月に入って国債入札は10年債や5年債など低調な結果が目につく。
りそなアセットマネジメントの藤原貴志債券運用部長兼チーフファンドマネジャーは40年債入札について、債券利回りのスティープ(傾斜)化圧力が強い中、「供給に対して需要が弱く、こなせるか懸念がある」と語った。