▽トランプ氏「ボールは中国側に」-米中対立、解決の糸口見えず

Hadriana Lowenkron、Stephanie Lai

  • 「中国は取引を行う必要がある。米国には取引を行う必要はない」
  • 中国政府、国内航空会社にボーイング機の受け入れ停止を指示
US President Donald Trump 
US President Donald Trump  Photographer: Chris Kleponis/CNP

トランプ米大統領は、激化する米中貿易摩擦の解決に向けた交渉を開始するためには、中国側からの接触が必要だとの見解を示した。

  ホワイトハウスのレビット報道官は15日、トランプ氏が口述したという声明を読み上げ、「ボールは中国の側にある。中国はわれわれと取引を行う必要がある。われわれには彼らと取引を行う必要はない」と述べた。

  さらに「中国と他の国との違いは、規模がはるか大きいということだけだ。そして中国はわれわれが持っているのと同じものを欲しがっている。つまり全ての国が欲しがっているものであり、それは米国の消費者だ。言い換えれば、彼らはわれわれのお金を必要としている」と続けた。

  今回の発言は、米中両国が依然として強硬な姿勢を崩しておらず、対立に終わりが見えないことを示す動きだ。中国は米国が課した最大145%の関税への報復として、米ボーイング機の追加納入を一切受けないよう国内の航空会社に指示した。

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  また中国の朱光耀元財政次官は、米国の指導者からの敬意が示されない限り、中国は米国との協議には応じないと指摘。2010年から18年まで財政次官を務めた朱氏は「もし米国が中国に対し、全面的な条件受け入れを望んでいるのであれば、交渉の余地はないと思われる」と、シンガポールでのインタビューで語った。

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  トランプ大統領は15日の早い時間にSNSへの投稿で、1期目に締結されたボーイングとの大型契約を中国政府が守らなかったと同国を批判した。

  トランプ政権によると、関税の軽減と引き換えに貿易障壁の引き下げについて数十カ国の貿易相手国と交渉中。上乗せ関税は協議の時間を確保するため4月10日に90日間停止された。

  レビット報道官は、トランプ氏が少なくとも15カ国からの提案を検討しており、「これらの取引全てに自ら署名したい」と貿易担当チームに明確に伝えていると述べた。

  報道官は「やるべきことが多くあるのはよく理解しているが、間もなくいくつかの取引を発表できると信じている」と付け加えた。ただ、どの国が合意に近づいているのかについては詳述しなかった。

原題:Trump Presses China to Make Tariff Offer to Calm Trade War (1)  、Trump Presses China to Make Tariff Offer to Calm Trade War(抜粋)