「国民の手取りを増やす」。久しぶりに真っ当な選挙公約を掲げた政党が登場したと思っていたら、昨年の総選挙以来国民民主党の支持率は爆上がり。7月の参院選挙次第では、玉木雄一郎代表が総理大臣になる可能性もあると、永田町界隈では取り沙汰さている。まさに破竹の勢い。このまま7月まで持つのか、傍観者の一人として余計な心配までしている始末。そんな折、気になる情報が飛び込んできた。国民民主党が弁護士の菅野志桜里氏を、来るべき参院選挙に比例代表候補として擁立すると発表したのだ。もともと能力の高い人だ。候補者として擁立することに異議や異存はないのだが、政治家としては離婚前の旧姓である山尾を使うという。政治家・山尾志桜里は功罪相半ばしている。Twitterでは早速、山尾氏の罪を集中的に攻撃するretweetで溢れている。折から夫婦別姓が政局の一つの焦点にもなっている。この人は現役時代も様々な話題を提供してきた。その人の擁立、波紋が広がりそうな気がする。
本人は山尾姓を使う理由をnoteに書き綴った。「私の場合、仕事と名前の関係をざっくり整理すると①検察官の仕事は主に『菅野』に紐づき②政治家の仕事は『山尾』に紐づき③弁護士の仕事は『菅野」』紐づいています。(略)今回、政治家再挑戦を決めるにあたり、最初の壁がこの名前。ざっくり結論を言うと、投票所では名前の併記(戸籍名と通称名)は認められず、通称登録して「山尾」でやるか、通称登録せず戸籍の「菅野」でやるか、どちらかを選ぶしかないとのことでした。(略)政治家としてのキャリアは120%圧倒的に『山尾』に紐づいています。それでもなお『菅野』というアイデンティティで挑戦する?それは一体何のための賭けなの?(略)ただスタッフをはじめ色々な人の人生を巻き込んでの再挑戦です。冷静に考えたら、やはり『山尾』でいこうという判断に至りました」。
個人的にはどちらでも構わないと思う。ただ、山尾を選択すれば、多分某最大野党だと思うが、反対勢力から強烈なしっぺ返しを受ける。そこはどう考えたのだろうか。山尾に紐付いている一般的なイメージは不倫とか、不倫相手の妻の自殺など負を連想させるものが多い。これは国民民主党に対する一般有権者の期待感とは相容れない。本人は「正も負も背負っていきたい」(産経新聞Web版)と、政治家としての再出発に向けた覚悟を示している。昨今の政治家は「負」を抱える人が多い。人間社会だ。普通に考えれば「正」だけの人なんているはずがない。比例候補であり、現状での支持率から判断すれば当選の確率はかなり高いと思う。政治家としても「負」から逃げず、真っ当な政策を推進してもらいたい。願わくば30年、50年、100年先を考えた、未来を先取りするような大きな政策を打ち出してもらいたいものだ。
