▽トランプ米大統領、対ロシア制裁を「もちろん」検討していると発言

Jennifer A Dlouhy

  • プーチン大統領や停戦協議の行き詰まりにいら立ち強める
  • 主にゼレンスキー氏に圧力をかけていたトランプ氏の姿勢に変化

トランプ米大統領は25日、ロシアがウクライナに対し24日夜から25日未明にかけてミサイルやドローン(無人機)による大規模攻撃を行ったことを受け、新たな対ロ制裁を「もちろん」検討していると発言した。

  ニュージャージー州で大統領専用機エアフォースワンに搭乗する前に記者団に語った。ロシアのプーチン大統領やウクライナでの停戦協議が進まないことにトランプ氏はいら立ちを強めている。

  トランプ氏は「プーチン氏のやっていることには満足していない」と発言。「彼は多くの人を殺している。プーチン氏に何が起きたのかさっぱり分からない。私は彼のことを長く知っていて、ずっと良い関係を築いてきたが、今は都市にロケット弾を撃ち込み、人々を殺している。全く納得できない」と話した。

Aftermath of Heavy Russian Airstrikes in Kyiv
ロシアのミサイル攻撃を受けた現場の救助隊員(ウクライナ・キーウ、5月25日)Photographer: Andrew Kravchenko/Bloomberg

  ウクライナ当局によると、ロシアの空爆で少なくとも12人が死亡。これを受け、ウクライナのゼレンスキー大統領は対ロ制裁の強化をあらためて求めた。今回のロシアの攻撃は、ウクライナとの3回目の捕虜交換と並行して行われた。

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  トランプ氏はプーチン氏について「どうかしてしまったのか」と繰り返し疑問を呈し、「協議の最中だというのに、彼はキーウや他の都市にロケット弾を撃ち込んでいる。そんなやり方は納得しかねる」と述べた。

  今回の発言は、これまで主にゼレンスキー氏に圧力をかけていたトランプ氏の姿勢に変化が見られたという点で注目される。

  新たな制裁ではロシアの石油貿易や国営石油会社ロスネフチが標的とされる可能性がある。

原題:Trump Says He’s ‘Absolutely’ Weighing Sanctions Against Russia(抜粋)