▽日米首脳会談を実施、関税協議が正念場-自動車などの合意が焦点に<bloomberg日本語版>2025年6月17日 5:33 JST

梅川崇

  • カナダで開催中のG7にあわせて開催、石破首相が協議内容説明へ
  • 対米交渉担う赤沢経済再生相、米財務長官らと閣僚会合重ねる

カナダを訪問中の石破茂首相は16日(日本時間17日)、トランプ米大統領と首脳会談を行った。日本政府が発表した。米国の関税措置を巡る交渉で、日本が重視する自動車も含めた分野別関税の見直しに向けて一定の合意を得られるかが焦点となる。

President Trump Meets Japanese Prime Minister Ishiba At White House
トランプ大統領と石破茂首相(2月)Source: Bloomberg

  主要7カ国首脳会議(G7サミット)のため訪れているカナダ・カナナスキスで会談した。石破首相は出発前の15日夜、関税交渉に関して「双方にとって利益になるような合意が実現するように最大限の努力をしたい」と記者団に語った。

  サミットに合わせた首脳会談での合意は早くから意識されており、対米交渉を担う赤沢亮正経済再生担当相がその可能性に言及する場面があった。関税措置の見直しを再三求めてきた日本にとって、自動車を含む分野別関税でどれだけ譲歩を引き出せるか、正念場の局面を迎える。結果は夏の参院選にも影響を与える可能性がある。

  石破首相はこの後、記者団に会談の内容などについて説明する見通し。

  赤沢再生相とベッセント財務長官らとの協議では、議論の進展が確認される一方で、合意に向けた一致点が見いだせない状況が続いていた。特に日本の基幹産業の自動車には、4月以降25%の追加関税がかけられており、長期化すれば業界への影響は大きい。貿易統計によると、自動車は対米輸出全体の約3割を占める品目で、日本側は追加関税の完全撤廃か、少なくとも一定の税率引き下げで合意を得たい考えだ。

  ただ、トランプ大統領は自動車への関税率を引き上げる可能性を示唆しており、先行きは不透明な情勢が続く。

  自動車などの分野別関税のほか、米国は輸入品全てに基本税率10%をかけ、貿易相手国ごとに異なる税率を上乗せする仕組みを導入した。現在は上乗せ部分が一時停止されているが、7月上旬に猶予期限を迎えると、対日本の税率は24%となる。一時停止期間の延長を勝ち取ることも日本にとっては課題となる。

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▽石破首相、トランプ大統領と会談30分間…G7会場で関税見直し巡り日米首脳会談<読売新聞オンライン>2025/06/17 05:55

G7サミットに臨む(右端から時計回りに)トランプ米大統領、スターマー英首相、メルツ独首相、フォンデアライエンEU委員長、コスタ首脳会議常任議長、石破茂首相、メローニ伊首相、マクロン仏大統領、カーニー加首相(16日、カナダ西部カナナスキスで)=代表撮影

中田征志

 【バンフ(カナダ西部)=中田征志】石破首相は16日午後(日本時間17日未明)、米国のトランプ大統領と先進7か国首脳会議(G7サミット)の会場となっているカナダ西部のカナナスキスで会談した。会談は約30分行われ、首相は米国による一連の関税措置の見直しを求めたとみられる。G7サミットに臨む(右端から時計回りに)トランプ米大統領、スターマー英首相、メルツ独首相、フォンデアライエンEU委員長、コスタ首脳会議常任議長、石破茂首相、メローニ伊首相、マクロン仏大統領、カーニー加首相(16日、カナダ西部カナナスキスで)=代表撮影

 首相はこの後、記者団に会談の結果などを説明する見通しだ。