▽ホルムズ海峡でタンカー経路変更を初確認、イラン空爆後-追跡データ

Alex Longley

  • スーパータンカー2隻が海峡に進入後に南に方向転換
  • 米国による空爆を受け原油タンカーの航路変更が始まった可能性

米国によるイランへの空爆後、約200万バレルの原油の輸送能力を持つスーパータンカー2隻がホルムズ海峡で進路を反転させたことが分かった。

  ブルームバーグがまとめた船舶追跡データによると、「コスウィズダム・レイク」号と「サウス・ロイヤルティー」号はいずれも22日に海峡へ進入した後、航路を急に変更した。積み荷を積んでいないこの2隻はその後、ペルシャ湾の入り口から南へと進路をとっている。

Vessels U-turn
米国のイラン空爆後、スーパータンカー2隻がホルムズ海峡で進路を反転させた

  6月13日のイスラエルによる空爆後、ペルシャ湾では船舶の電子機器や信号への妨害が増加している。今回の2隻の動きは通常時の運航と変わらない特徴を備えている一方、米国による空爆を受けて原油タンカーの航路変更が始まった最初の兆候ともいえる。緊張の高まりを受け、タンカーが荷積み港での待機を見越してホルムズ海峡の外側で停泊することを選択する可能性がある。

  タンカー運航会社やトレーダーは、中東情勢の悪化が船舶の動向や輸送に及ぼす影響を注視している。ギリシャの海運当局は22日、同国の船舶に対してホルムズ海峡の通過について再検討し、情勢が落ち着くまで安全な港に避難するよう勧告した。

  タンカーの基準運賃は週末の攻撃以前からすでに約90%上昇していたが、22日夜には運賃のデリバティブ商品も急上昇する動きを見せた。

原題:Two Supertankers U-Turn in Strait of Hormuz After US Strikes(抜粋)