▽米税制・歳出法案、上院で前進 数日内に可決も

David Morgan

米税制・歳出法案、上院で前進 数日内に可決も

[ワシントン 28日 ロイター] – 米上院は28日夜、トランプ米大統領が掲げる包括的な税制・歳出法案の審議開始に向けた採決を実施した。共和党から2人が反対に回ったが、51対49の賛成多数で手続き上の最初のハードルをクリアした。

トランプ氏は「偉大で大きく美しい法案」にとって「素晴らしい勝利だ」と交流サイト(SNS)に投稿した。

共和党指導部とバンス副大統領はこの日、数時間にわたり党内の反対派の説得に当たった。

ホワイトハウス高官によると、トランプ氏は大統領執務室から採決の様子を見守った。

940ページに及ぶこの大型法案には、2017年の「トランプ減税」の延長やその他の減税、軍事費・国境警備費の増額などが盛り込まれている。

民主党は法案の減税措置が富裕層に不釣り合いな利益をもたらし、低所得者が必要とする社会保障制度を犠牲にするとして強く反対した。

上院民主党トップのシューマー院内総務は「共和党は真夜中に公表した過激な法案の可決を急ぎ、国民がその内容に気付かないよう祈っている」とし、「民主党は本会議に法案を最初から最後まで読み上げさせる」と述べた。

法案読み上げ後、議員は最大20時間の審議を開始する。その後、修正案の審議を経て採決が行われる。議員らは30日に手続きを完了させたいと述べた。

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▽マスク氏、税制・歳出法案また批判 「雇用破壊し米国に損害」<ロイター日本語版>2025年6月29日午後 12:13 GMT+9

マスク氏、税制・歳出法案また批判 「雇用破壊し米国に損害」

[28日 ロイター] – 米実業家イーロン・マスク氏は28日、米上院が公表した税制・歳出法案の最新版を「完全に狂気で破壊的だ」と批判した。

マスク氏は今月、トランプ大統領肝いりの同法案を厳しく批判し、SNS(交流サイト)でトランプ氏と非難の応酬となったが、その後、自身の投稿に一部「行き過ぎ」があったとして後悔していると述べていた。

マスク氏は「上院の最新の法案は米国で何百万もの雇用を破壊し、わが国に甚大な戦略的損害を与える!」とXに投稿。「過去の産業に補助を与える一方で、将来の産業に深刻な打撃を与える」と書き込んだ。