▽マスク氏、トランプ法案支持の議員を落選させる決意-来年の予備選で

Brandon Sapienza

  • 税制法案での債務上限引き上げを批判、多くの雇用を破壊すると警告
  • 政治的支出を増やす構え、国民を思う新たな政党が必要だと主張
Elon Musk
Elon Musk Photographer: Shawn Thew/EPA/Bloomberg

米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、トランプ米大統領が後押しする大型税制・歳出法案を支持する共和党現職議員のほぼ全員について、来年の予備選で落選させるべく政治的支出を増やすと警告した。

  マスク氏は「政府支出の削減を公約に掲げながら、過去最大の債務引き上げに賛成する議員は恥を知るべきだ」と自身のSNS、X(旧ツイッター)に投稿。来年の予備選で何が何でも落選させる決意を明らかにした。

  2024年の選挙サイクルでトランプ氏を中心に2億5000万ドル(約360億円)を投じたマスク氏は、政治的支出の大幅縮小を予定しているとブルームバーグ・ニュースに述べ、5月には「もう十分やったと思う」との認識を示していた。

  しかし、トランプ氏の顧問としての政府の役職を退いた直後からマスク氏は大統領の看板政策である税制・歳出法案を厳しく批判し、オンライン上で非難の応酬に発展した。

  マスク氏はXへの投稿で、「債務上限を過去最大5兆ドル引き上げる法案の愚かな支出を見れば、われわれが一党独裁国家に住んでいることは疑いの余地がない。本当に国民のためを思う新たな政党が必要だ」と訴えた。

  週末には電気自動車(EV)やクリーンエネルギー関連の税額控除縮小について、米国の何百万もの雇用を破壊し、「過去の産業に資金をばらまく一方、将来の産業に深刻な打撃を与える」と強く反発した。

  最近数週間沈静化していたトランプ氏との対立が、今回の批判で再燃する恐れがある。

関連記事
マスク氏、EV向け税額控除削減に激怒-上院共和党の税制法案新草案
トランプ税制法案、上院での造反阻止が焦点-共和党内の調整続く (1)

原題:Musk Assails Tax Bill Proponents, Threatens to Unseat Lawmakers(抜粋)