▽トランプ氏、パウエル議長は「直ちに辞任すべきだ」-議会証言巡り
Stephanie Lai
- FRB本部の改修計画巡る証言を問題視-FHFA局長が調査求める
- 「利下げ実行する人物据えるべきだ」-パウエル氏の姿勢、再び批判

米国のトランプ大統領は8日、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長について、中銀本部の改修計画を巡り、議会をミスリードしたとの批判が事実であれば、「直ちに辞任すべきだ」と述べた。
トランプ氏は閣議の際、改めてパウエル氏への批判を繰り返し、「ひどい」と酷評した上で、同氏が議会を欺いていた場合、「彼は直ちに辞任すべきだ。我々は利下げを実行する人物を据えるべきだ」と述べた。
トランプ氏はFRBの政策金利据え置きの姿勢に不満を表明しており、6月には、自身が選ぶ次期議長には、借り入れコストを引き下げられる人物になると語っていた。
パウエル氏に対する批判には、政権内の複数の関係者も加わっている。米連邦住宅金融局(FHFA)のパルト局長は、FRB本部の改修工事に関するパウエル氏の議会証言が「欺瞞(ぎまん)的」だったとして、議会による調査とパウエル氏の辞任を要求した。トランプ氏もこの主張を、SNSで拡散した。
一部報道によると、FRB本部の改修計画には過度な豪華設備が含まれ、費用が膨らんでいる。これに対し、パウエル氏は上院公聴会で「報道内容は多くの点で誤解を招くものであり、不正確だ」と反論している。
トランプ氏はこれまでもたびたびパウエル氏の更迭をほのめかしつつも、発言は一貫性を欠いている。「パウエルの更迭は一刻も早く!」と書いたかと思えば、「解任するつもりはない」と語るなどしている。
パウエル氏の任期が2026年5月に満了するのを見据え、トランプ氏は3〜4人の後任候補を念頭に置いていると述べ、その人物は利下げに前向きであるべきだとしている。こうした発言は、中央銀行の独立性を根本から揺るがす動きと受け止められかねない。
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原題:Trump Says Powell Should ‘Resign Immediately’ If Congress Misled(抜粋)
