▽ブラジルに50%関税、トランプ氏がルラ大統領に書簡 緊張高まる<ロイター日本語版>2025年7月10日午前 7:34 GMT+9

[ワシントン 9日 ロイター] – トランプ米大統領は9日、ブラジルのルラ大統領に宛てた書簡で、8月1日からブラジルからの輸入品に対し50%の関税を課すと表明した。
また、ブラジルで公判中のボルソナロ前大統領に対する支持を改めて示し、書簡の中で、ボルソナロ氏に対するブラジルの扱いと関税を関連付けた。
書簡は「ブラジルによる自由選挙と米国人の基本的言論の自由の権利に対する陰湿な攻撃」が関税を課す一因だとしている。
米国はブラジルにとり中国に次ぐ第2位の貿易相手国。関税は4月に発表された10%から大幅に引き上げられる。
書簡によると、50%の関税は8月1日に発動され、セクター別の関税とは別に設定される。トランプ氏はまた、グリア米通商代表部(USTR)代表に対し、ブラジルによる不公正な貿易慣行、特に米国企業のデジタル貿易に対する慣行について調査を開始するよう指示した。
ブラジルのルラ大統領は7日、トランプ氏が新興国グループ「BRICS」の「反米政策」に同調する国に10%の追加関税を課すと表明したことを受け、世界に皇帝は必要ないと述べ、トランプ氏を批判していた。 もっと見る
ブラジル外務省は9日、ボルソナロ氏を擁護する声明を巡り米国大使館の臨時代理大使を呼び抗議した。
▽EU、対米貿易交渉で低関税輸入枠や「輸出クレジット」などの導入議論=関係者<ロイター日本語版>2025年7月10日午前 7:08 GMT+9
Christoph Steitz, Julia Payne, David Lawder

[フランクフルト/ブリュッセル/ワシントン 9日 ロイター] – 欧州連合(EU)は米国との貿易交渉を進める中で、対米輸出自動車への高い関税適用を避けるため一定の低関税輸入枠や「輸出クレジット」といった措置の導入を議論している。複数の業界関係者と通商担当当局者が明らかにした。
EU欧州委員会は、トランプ米大統領が「相互関税」停止期限として新たに設定した8月1日までの合意を目指している。
トランプ氏は8日、EUに課す具体的な関税率について「恐らく」2日以内に通知することになると述べ、EUはより協力的な態度になってきたと付け加えた。
EU側は、自動車と航空宇宙分野の高関税免除を重視。あるEUの外交官は以前、自動車はEUにとって「譲れない一線」だと強調していた。
4月以降、EUから米国に輸出される自動車には25%の追加関税が課されている。
EUの交渉責任者を務めるセフコビッチ欧州委員(通商担当)は9日、欧州委は米国との貿易合意の枠組みで前進しており、数日中には合意が可能かもしれないとの見方を示した。
3人の関係者によると、こうした中で議論されているのが、米国で自動車を生産し、第三国に輸出しているEUのメーカーに輸入関税をある程度免除するという提案だ。
対象メーカーは、米国から第三国への輸出額を「クレジット」として獲得し、この分に応じてEUから米国への輸出分への関税がゼロないし低関税になる措置を受けられるという。
そのような措置は、米国に主要なSUV(スポーツタイプ多目的車)生産拠点を有するBMW(BMWG.DE), opens new tabやメルセデス・ベンツ(MBGn.DE), opens new tabなどの欧州メーカーにとってメリットになる。
また2人の関係者は、米国側が対米追加投資に同意したメーカーへの優遇関税も申し出ていると明かした。傘下のアウディの米国工場建設を検討中のフォルクスワーゲンには追い風だ。
米国は既に英国との間で、年間10万台を上限に英国産自動車に課す関税率を10%とする低関税輸入枠の導入に合意している。
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