トランプ、ソロス両氏に短気の共通点－ベッセント米財務長官が明かす＜bloomberg日本語版＞2025年7月11日 11:06 JST

Edward Ludlow、Daniel Flatley

ベッセント米財務長官は自身がかつて仕えたジョージ・ソロス氏と、自分を現行ポストに起用したトランプ大統領との性格の共通点に言及した。

　　著名投資家のソロス氏はリベラル派として知られるが、重要なディール（取引）に臨んでせっかちな点はトランプ氏と同じだと、ベッセント氏は話した。

　　９日にアイダホ州サンバレーで開かれた富豪向け年次非公開会合でソロス、トランプ両氏の比較を司会者から質問されたのに対し、ベッセント氏が答えたもので、複数の会合参加者が匿名を条件に明らかにした。

　　ベッセント氏はその中で、気性や要求、短気な性格という面でソロス氏とトランプ氏は似ていると指摘。米貿易政策の発表に際しては辛抱強く臨むよう、トランプ氏にアドバイスしているとも話した。

　　事情に詳しい関係者によれば、ベッセント氏はトランプ氏について、問題を特定し解決策を見いだす独自の能力を評価する一方、実行段階で性急な面が時折あると述べた。

　　ベッセント氏は参加者からの質問に対し、関税がインフレに与える影響に否定的な見方を示し、年内２回の米利下げを見込んでいると語った。また、借り入れコストは長期的なに新型コロナウイルス禍前の水準に落ち着く可能性が高いとの見解を示した。

　　米財務省とホワイトハウスの担当者はコメントを控えた。

　　ベッセント氏はソロス・ファンド・マネジメントで最高投資責任者（ＣＩＯ）にまで上り詰めた後、マクロヘッジファンド運営会社キー・スクエア・グループを創業した。同氏が最近、トランプ氏の判断にどの程度の影響力を持つかは不明だ。

　　ベッセント氏は日本や中国をはじめとするアジア諸国との貿易交渉を主導し、トランプ氏の通商政策の策定にも関与するなど、財務長官としては異例の役割を担っている。

　　米財務省は来週のベッセント氏の訪日予定について、貿易協議のためではないと説明する。同氏は近く中国当局者やインドネシアのハルタルト調整相（経済）と会談する見通し。