▽米国に「なめられてたまるか」 関税交渉難航、石破首相の透ける焦り
森岡航平
石破茂首相が参院選の遊説で、日米関税交渉でトランプ米政権に強い姿勢で交渉に臨む決意を強調し始めている。腹心の赤沢亮正経済再生相による関税交渉の合意の見通しが立たない中、トランプ米大統領は7日、25%の相互関税を日本に課す方針を発表。首相の言葉には、与党にとって厳しい選挙情勢が伝わる中、難航する交渉が選挙戦で与党にさらなる打撃を与えかねないとの焦りも透けて見える。
「これは国益をかけた戦いだ。なめられてたまるか」。9日、千葉県船橋市のJR船橋駅前。首相は街頭演説で、こう語気を強め、「私たちは言うべきことは、たとえ同盟国であっても、正々堂々、言わなければならない」と続けた。
日本の首相が同盟国の米国相手に「なめられてたまるか」などと激しい口調で語るのは極めて異例だ。首相は発言の意図について、10日に出演したテレビ番組で、安全保障や食料などをめぐる日米関係に触れて「いっぱい頼っているのだから言うことを聞きなさいということだとすれば、それは侮ってもらっては困りますということ」と説明した。
3日の参院選公示後は、首相…
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▽石破首相「米国依存から自立」 関税交渉巡り<ロイター日本語版>2025年07月10日21時42分

石破茂首相は10日夜のBSフジ番組で、日米関税交渉を巡り「なめられてたまるか」と述べたことについて、「米国依存からもっと自立する努力をしなくてはいけない。いっぱい頼っているから言うこと聞けよと侮ってもらったら困る、ということを訴えたかった」と説明した。
年内を目指す全国民への2万円給付に関し、実施は今年限りか今後も続けるのか問われたのに対しては、「賃金上昇が物価上昇を上回ることを目指すので、いつまでとは申さない」と明言を避けた。
