▽インドへの関税、20%未満に下がる可能性-米国と暫定合意に向け協議<bloomberg日本語版>2025年7月12日 4:00 JST
Joe Deaux、Shruti Srivastava、Ruchi Bhatia
- 上乗せ関税率を4月時点に発表した26%から下げる方向-関係者
- 暫定合意により交渉は継続、書簡でなく声明の形で発表とインド予想
米国はインドとの間で暫定的な通商合意を結ぶ方向で協議を進めており、インドに対する関税率は20%未満に引き下げられる可能性がある。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
この関係者らによれば、インドは貿易に関する合意は声明を通じて発表されると考えており、他の多くの国のように関税率を通告する書簡を自国が受け取ることはないとみている。
暫定合意によって交渉は継続されることになり、今秋に見込む、より包括的な合意を前に、インド政府は残る問題を解決する時間的な余地を確保できるという。関係者は協議の非公開を理由に匿名を条件に語った。
関係者によると、声明にはインドに対する上乗せ関税を、4月時点に発表した26%でなく20%未満にする内容が盛り込まれる可能性が高い。暫定合意のタイミングは明確でない。
インド商工省に追加情報を求める電子メールを送ったが、返信はない。ホワイトハウスと米商務省にもコメントを求めたが、現時点で返答は得られていない。
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原題:US, India in Talks on Trade Deal That May Cut Tariff Below 20%(抜粋)
▽EUの対米関税交渉、農産物と車が争点に浮上-暫定合意へ調整続く<ロイター日本語版>2025年7月12日 5:55 JST
Alberto Nardelli、Jorge Valero
- EU、農産品への関税は10%以下の水準を求めている-関係者
- 車の相殺メカニズムは現時点で検討されず、生産拠点移転をEU警戒
欧州連合(EU)が向こう数日での暫定合意を目指し米国と進めている通商交渉では、自動車および農産品の関税水準が主要な争点として浮上している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
関係者によると、EUは農産品への関税について10%以下を求めている。一部の自動車メーカーが提案していた「相殺メカニズム」については、 EUの行政執行機関である欧州委員会が生産拠点の米国移転につながりかねないとして懸念を示しており、現時点では検討対象に含まれていないという。
相殺メカニズムとは、米国投資の見返りに域内の自動車メーカーへの関税低減を求める内容だ。情報の部外秘を理由に匿名を条件に語った関係者によると、EUの交渉担当者は、代わりに自動車関税に焦点を当てて協議を進めている。
また、EUはトランプ米大統領が発動した鉄鋼・アルミニウム関税に対抗して採択した報復措置の発動を再度延期するよう勧告する見通しだ。報復措置は交渉のため一時停止されていたが、現行スケジュールでは15日深夜に自動的に再発動される予定になっている。
合意の成否はトランプ大統領の判断に委ねられる、と関係者たちは述べた。トランプ氏は現在議論されているEUとの取り決めについて公にコメントしていない。
欧州委は交渉は継続中だとして、協議の進捗状況についてコメントを控えている。
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原題:A US-EU Trade Deal Hinges on Cars, Agriculture and Trump(抜粋)
