▽トランプ氏、EUとの関税交渉に応じる意向示唆-書簡は「ディール」<bloomberg日本語版>2025年7月15日 4:13 JST

Jennifer A Dlouhy、Catherine Lucey

  • 「欧州は別のディールを望んでいる。協議には常にオープンだ」
  • トランプ氏、週末に30%の関税を通告する書簡をEUに送付

トランプ米大統領は14日、欧州連合(EU)を含め貿易相手国・地域とのさらなる交渉に応じる意向を示唆した。一方で、新たな関税を通知する各国・地域への書簡が「ディール」だとも主張した。

  「その書簡がディールだ。ディールは成立している。新たに結ぶディールは存在しない」と、ホワイトハウスで記者団に語った。 

  その一方で「欧州は別のディールを望んでいる。われわれは欧州を含め、協議にはオープンだ」とも述べ、EUの交渉担当者が実際にワシントンを訪問すると指摘した。

  また「文字通りすべての国・地域がディールを望んでいる。われわれは強い立場にある」などと話した。 

  トランプ氏は新たな関税率を通知する書簡を主要貿易相手国・地域に相次ぎ送付しており、交渉がまとまらなければ8月1日から新たな関税が発動されると述べている。

  EU側の交渉を担当するシェフチョビッチ欧州委員(通商担当)はトランプ氏が書簡で30%の新たな関税を通告したことについて「実質的に大西洋間の貿易を阻むものだ」と述べ、報復措置の対象になり得ると警告した。

関連記事:EU、トランプ関税30%に報復含め対応検討-日本などと連携模索 (1)

原題:Trump Says He’s Open to Talks With EU After Threatening 30% Levy(抜粋)

▽トランプ氏、日本に改めて不満-「米国車を受け入れようとしない」<bloomberg日本語版>2025年7月14日 21:59 JST

村上さくら

  • 日本は年に何百万台もの車を米国に売るが米国は売っていないと発言
  • ベッセント米財務長官の訪日数日前、石破政権に圧力かかる可能性

トランプ米大統領は13日、日米間の自動車貿易の不均衡にあらためて不満を示した。ベッセント財務長官が訪日する数日前にこうした発言を行ったことで、少数与党である石破政権には一段と圧力がかかる可能性がある。

  トランプ氏は「日本はわれわれに対し、年間に何百万台もの車を売っている。われわれは全く売っていない。日本が米国の車を受け入れようとしないからだ。日本は米国の農産物もほとんど受け入れようとしない」と、ワシントンで記者団に話した。

  トランプ氏は先週、日本からの輸入品に8月1日から25%の関税を賦課すると発表した。赤沢亮正経済再生相はトランプ政権の閣僚らと数カ月にわたって交渉を続けているが、ほとんど進展はない。

  関税交渉を担う一人であるベッセント長官は19日の大阪・関西万博の米国ナショナルデーに合わせて訪日する予定だが、赤沢氏がその機を捉えて関税協議を行えるかどうかは今のところ未定だ。

  日本の対米貿易黒字の約80%は自動車・同部品によるもので、日本は既に自動車・同部品への25%の分野別関税で打撃を受けている。

  トランプ大統領は日本の消費者が米国の自動車を買わないと繰り返し不満を口にしているが、石破茂首相は米国車は左ハンドルで車体が大きく、燃費も悪いので日本で売るのは難しいとの認識を示している。

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