参院選の選挙活動は今日をいれて残すところあと3日。20日の投開票日には午後8時ジャストに、テレビ各局の選挙速報が同時に発表される。この選挙の最大の注目シーンだ。「自公過半数割れ確実」と打つか、「自公過半数われ微妙」と打つか、テレビ各局の実力が問われることに。日本でダメなのは自公政権だけではない。テレビ局をはじめとした主要メディアが、石破政権に倣ってゾンビ化していることだ。データと地道な取材力が問われる選挙の開票速報。横並びの日本メディアに正確な選挙速報と、透徹した選挙後の政局を占う“能力”はあるのだろうか。ないと感じる予兆はある。「参政党大躍進」と連日連呼している情勢報告だ。参政党が票を伸ばすのは間違いないだろう。だが、それを喧伝するメディアの「真意」は、無意識に行なっている「誉め殺し」だ。メディアの「脳内慣性」は相変わらず自民党寄りだ。
今回の参院選挙はゾンビ化した石破連立政権並びに自民党に対する批判選挙に過ぎない。参政党、保守党に集まる票は明らかに自民党に対する批判票だ。無能な石破政権に愛想を尽かした保守票が両党に流れている。国民民主にもその一部が入っているのだろう。結局、自民党の右側、保守勢力が自民党離れを起こしているに過ぎない。野党第1党の立憲民主党も議席を伸ばす勢いのようだ。だが、仮にそうだとしても立憲民主の主張が国民に受け入れれれているわけではない。参政党が全選挙区に候補者を擁立した結果、これまでなら自民党に集まる票が分散した。その結果立民が比較優位を得ているだけである。選挙後に立民が自公の連立政権に加わるようなことがあれば、それ自体「最悪の選択」になる。立民は激変する国際情勢に自公と共にすでに何周も遅れている。
仮に自公が過半数割れしたとする。その後の政局はどうなるのか。主要メディアの予想は貧弱で、あるべき政治の本質とは無関係の数遊びに過ぎない。選挙結果がどうなるかわからないが、第1党は間違いなく自民党だろう。自公はすでに一蓮托生である。本来なら野党連立政権が誕生するはずだが、それを主導する人材が野党にはいない。主要メディアは自公+どこか、連立の拡大が唯一の選択肢。相手は参政党が保守党か国民民主か、この他の選択肢としては立民ということになる。この選択は保守色の強い政権か、それ以外かという選択に過ぎない。これでは、グローバリズム崩壊後の国際的な潮流の変化に太刀打ちできない。この局面のベストな選択は自民党と立憲民主党が空中分解することだ。減税派か増税派か、媚中か媚米かでもいい。政策が一致する自立した国会議員が政権を担うことだ。ゾンビ化した政党の存在意義を問う選挙でもある。
