▽ベッセント財務長官、日米交渉は順調-中国と来週通商協議へ<bloomberg日本語版>2025年7月22日 22:36 JST

Daniel Flatley

更新日時 2025年7月23日 2:14 JST

  • 日米関税交渉、近く合意まとまっても驚かない-ベッセント氏
  • 28、29日にストックホルムで3回目の米中通商協議を実施へ
Scott Bessent, US secretary of the treasury
Scott Bessent, US secretary of the treasury Photographer: Graeme Sloan/Bloomberg

ベッセント米財務長官は、日本との関税交渉について「非常に順調」に進んでいると述べ、近く合意がまとまっても驚かないだろうと述べた。ベッセント氏はFOXビジネスとのインタビューで語った。

  トランプ米政権が他の主要経済国に設定した8月1日の上乗せ関税発動を控える中、ベッセント氏は、期限内に「相次ぎ」貿易合意がまとまるとの見通しを示した。

  赤沢亮正経済再生相は米東部時間21日夕、米国の関税措置を巡ってラトニック商務長官とワシントンで協議した。

関連記事:赤沢再生相が米商務長官と協議、「着地点探す」-8回目の関税交渉

  ベッセント氏はまた、来週ストックホルムで中国側の当局者と会談し、3回目となる通商協議を行うと明らかにした。

  同氏は米中双方の高関税を90日間一時停止する「合意は8月12日に失効する」と述べたうえで、「28、29日にストックホルムで中国の当局者と会う予定だ。そこで延長の可能性について検討することになるだろう」との見方を示した。

  トランプ政権はここ最近、中国に対して他国よりも柔軟な姿勢を見せており、通商交渉の中心にいるのがベッセント氏だ。多くの国が対米通商合意を目指す中で、中国は米国から異なる対応を受けている。

  ストックホルムでの通商協議は、5月にジュネーブで行われた交渉に続くもので、この時は高関税一時停止で合意していた。さらに先月ロンドンで開かれた会合では、米中が輸出規制の緩和で一致した。

  これ以降、米国は低性能半導体の対中販売に関する制限を緩和した一方、中国も6月のレアアース(希土類)マグネットの出荷を大幅に引き上げた。

  ベッセント氏は「中国との通商は非常に良好な状況にある」と述べ、「米中で取り組める多くのことについても協議する」と続けた。

  中国外務省に業務時間外にコメントを求めたが、これまでのところ返答は得られていない。

原題:Bessent Sees China Tariff Truce Extended in Sweden Next Week (2)
*BESSENT: JAPAN TALKS ARE GOING ‘VERY WELL’(抜粋)

▽トランプ氏、フィリピンへの関税率は19%-通告からわずかな引き下げ<bloomberg日本語版>2025年7月23日 2:39 JST

Cliff Harvey Venzon、Akayla Gardner

  • フィリピンの対米関税率はゼロに、軍事面でも協力へ
  • 同盟国でも米側の譲歩を引き出す難しさを浮き彫りに
Philippines' president Ferdinand Marcos Jr. and US President Donald Trump,  July 22.
Philippines’ president Ferdinand Marcos Jr. and US President Donald Trump,  July 22. Photographer: Yuri Gripas/Abaca/Bloomberg

トランプ米大統領は22日、米国とフィリピンが貿易協定で合意に達したとし、同国からの輸入品にかける関税率を19%とすると発表した。これは先に通告していた20%を1ポイント下回る水準。

  トランプ氏はこの日、ホワイトハウスでフィリピンのマルコス大統領と会談。8月1日に予定される上乗せ関税の発動を前に合意に至った最新の通商取引となる。ただ、関税率のわずかな引き下げは、各国・地域首脳が関税措置の緩和を目指す中、米側の譲歩を引き出すことの難しさを浮き彫りにするものだ。

  トランプ氏はソーシャルメディアへの投稿で「フィリピンは米国との間で市場を開放し、関税をゼロにする。フィリピンは19%の関税を支払う。また、われわれは軍事面でも協力していく」とした。ただ、貿易合意の詳細については明らかにしなかった。

  トランプ氏はここ数週間、複数の国・地域に関税率を記した書簡を送付。銅に8月1日から50%の賦課するとし、半導体や医薬品など他の個別品目への関税も計画している。欧州連合(EU)やインドなどとの協議は継続中だが、約150の小規模の貿易相手には一律で10-15%の関税を課す方針を示している。

関連記事:トランプ米大統領の50%銅輸入関税、精錬銅も対象-関係者 (1)

  マルコス氏は、一部の外国首脳と同じく、米国との長年の同盟関係を強調することでより良い貿易条件を引き出そうとした。しかし、大幅な関税引き下げに至らなかったことは、トランプ氏の関税政策が同盟国に対しても突きつける困難を如実に示した。

  首脳会談に先立ち、フィリピンの通商当局者が米国を訪れ、協議を行っていた。

  米政府統計によれば、昨年の米国の対フィリピン貿易赤字は49億ドル(約7180億円)で、貿易総額は235億ドルだった。フィリピンはかねて、国内産業が打撃を受けるとしてベトナムやインドネシアのような「ゼロ関税」の導入は不可能だとし、代わりに米国産の大豆や冷凍肉の輸入拡大などを提案していた。

原題:Trump Cuts Tariff on Philippine Goods to 19% From 20% Rate(抜粋)

関連情報

▽トランプ関税響く、GM利益を11億ドル押し下げ-打開策見えず<bloomberg日本語版>2025年7月23日 1:16 JST