▽FRB「光栄」、トランプ氏の改修視察に感謝-パウエル氏交代遠のく

Christopher Condon

  • 改修プロジェクト完遂に向けたトランプ氏の激励に感謝-FRB声明
  • 「パウエル氏の立場は当面、安泰のようだ」-BMOのリンジェン氏

米連邦準備制度理事会(FRB)は25日、トランプ大統領と共和党議員らが前日にFRB本部改修工事の現場視察に訪れたことに対し、感謝の意を示す声明を発表した。

  FRBは声明で「大統領を昨日、歴史ある本部視察のために迎えることができて光栄だ」と表明。「改修の進捗(しんちょく)状況をトランプ氏、およびティム・スコット、トム・ティリス両上院議員に報告する機会が持てたことをうれしく思う。この重要なプロジェクトの完遂に向けたトランプ氏の激励に感謝する」とした。

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  物議を醸しているFRB本部改修プロジェクトをパウエル氏とともに視察するというトランプ氏の異例の対応は、過去数カ月にわたって利下げ要求圧力にさらされてきたパウエル氏に一定の安堵(あんど)感をもたらすものとなった。

  トランプ氏は前日の視察後、パウエル氏との間に「緊張関係はない」と述べた。両氏は視察中、改修プロジェクトの費用を巡り公の場で応酬する場面もあったが、トランプ氏はプロジェクトに関する問題はFRBトップを解任するには恐らく十分な理由にはならないとの見解を示唆。「そうしたことをやるのは大きな動きであり、必要だとは思わない」と記者団に語った。

  BMOキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者イアン・リンジェン氏は、「パウエル氏の立場は当面、安泰のようだ」と顧客向けリポートで指摘。「注目すべきは、パウエル議長交代に関する臆測がもはや中心的な話題ではなくなったことだ」と述べた。その上で、金利据え置きが予想されている来週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で状況は一変する可能性もあると、付け加えた。

  本部ビル2棟の改修工事は、総額25億ドル(約3700億円)に上る費用を巡って共和党から強い批判を受けてきた。トランプ氏は今回の視察で、プロジェクトへの批判はほとんど口にせず、代わりにパウエルFRB議長に数回にわたって利下げを求めた。

原題:Fed Says It Was ‘Honored’ by Trump’s Tour of Building SiteTrump’s Fed Building Tour Ends With a Relief Signal for Powell(抜粋)