記者団の取材に応じる石破茂首相=24日午後、首相官邸(相川直輝撮影)
記者団の取材に応じる石破茂首相=24日午後、首相官邸(相川直輝撮影)

自民党は28日、参院選の大敗を受け両院議員懇談会を開催する。石破茂首相(党総裁)は、自身の進退は表明しない見通しだが、首相への批判は強まっており、懇談会の内容次第では重要事項の議決権がある両院議員総会の開催も視野に入る。懇談会は、首相ら党執行部への責任追及で紛糾する展開が予想される。

自民大阪府連は27日、参院選結果を総括する会合を大阪市で開き、府連として首相退陣を求めるかどうかは賛否両論あるとして、意見集約を見送った。会長の青山繁晴参院議員は記者会見で「(首相が)辞めるべきだという意見が出るのも、首相が反論するのも健全だ」と強調した。

茂木敏充前幹事長は26日公開の自身のユーチューブ番組で「リーダーも含めて主要なメンバーを決め、やり直していく姿が党再生のためには必要だ」と述べ、首相の退陣を要求した。旧茂木派の会長を務めていた茂木氏は、昨年の総裁選で首相と争った。「ポスト石破」候補の中で、公に辞任を求めたのは初めてとみられる。

西村康稔元経済産業相は27日、X(旧ツイッター)に「責任はうやむやにできない。兎にも角にも総裁選をやるべきである」と投稿した。西村氏は、首相が続投する意向なら、再選を目指して出馬すればよいとの考えを示した。

一方、首相は26日のNHK番組収録で、改めて続投の意向を示した。「行政の最高責任者として一切の私心を持たないで、国民のために身を滅してやる」と述べた。党内からの反発を受け続投の決意が揺らいだことはあるかと問われると、「それはない」と断言した。

国民民主党の古川元久代表代行は27日のフジテレビ番組で、首相が辞任しなければ、野党がまとまって内閣不信任決議案を提出する可能性に言及した。「本来は自分で身を処すべきだが、しばらく続けるならば考えなければいけない」と述べた。