▽ガザで最悪の飢餓も、国際監視組織が警告 危機回避へ即時行動要請<ロイター日本語版>2025年7月30日午前 2:11 GMT+9

Michelle NicholsOlivia Le PoidevinNidal Al-Mughrabi

ガザで最悪の飢餓も、国際監視組織が警告 危機回避へ即時行動要請

[国連/ジュネーブ/カイロ 29日 ロイター] – 飢餓の状況を監視する国連組織は29日、パレスチナ自治区ガザで食料不足による最悪の飢餓のシナリオが進行しており、大規模な犠牲者が出る事態を回避するために即座に行動を起こす必要があると訴えた。

国連の「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」は、「飢餓、栄養失調、疾病の蔓延が飢餓関連の死亡者の増加を引き起こしているという証拠が山積みだ」とし、ガザの大半で飢餓が深刻な状況に陥っていると指摘した。

ガザ地区の保健当局は29日、イスラエル軍によるイスラム組織ハマスへの攻撃が始まった2023年10月以降の死者数が6万人を超えたと発表した。 もっと見る

国連のグテレス事務総長は29日、ガザ地区に「食料、水、医薬品、燃料を滞りなく届ける必要がある」とし、支援を大規模に拡大する必要性を強調。「ガザ地区のパレスチナ人は、大規模な人道的大惨事に耐え続けている。これは警告ではなく、目の前で起きている現実だ」と声明で訴えた。

イスラエルによる支援物資の搬入制限で状況が悪化していると国際的な批判が高まっている。イスラエルのサール外相は29日、ガザの状況は「厳しい」と認めつつ、飢餓に関する報道には虚偽が含まれると主張。また、過去2カ月で5000台の援助トラックがガザ地区に入っており、イスラエルは支援物資の空中投下を希望する人々を支援すると述べた。イスラエルはガザへの飢餓政策などないと主張している。

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