▽「日本はぼられ続ける」立民・野田代表 日米関税「合意文書なし」に懸念 石破首相は反論

立憲民主党の野田佳彦代表は4日の衆院予算委員会で、トランプ米政権との間で妥結した関税協議に関する合意文書がないことへの懸念を示した。トランプ政権が「どんどん拡大解釈して、日本はぼられ続ける」と述べた。石破茂首相は「国益を慎重に考えた」と反論した。
野田氏は、合意文書がなく投資の面など日米で認識に差があると指摘し、文書を作成しなかった理由を政府に尋ねた。
赤沢亮正経済再生担当相は「覇権国が国際ルールや外交交渉のやり方を変えようとしている。米国は20そこらの国と次々に交渉をしている。共同文書を作ろうとしていつまでも関税を引き下げてもらえないことを一番恐れた」と述べた。他国も文書を作成していないとも説明し、文書について「ピン留めや国民への説明責任など一定のメリットを認めるが、ルールが大いに変わっている激流のなかで国益を守り抜こうとすれば、これまでと同じ対応をなかなかできない」と語った。
野田氏は、文書を作成した国もあると反発した。また、文書を作成した2019年の日米貿易協定が事実上破棄されたとして、「同じトランプ政権だ。文書を作らなければどんどん拡大解釈して、日本はぼられ続けるのではないか」と懸念を示した。
首相は「相手が普通の人ではない。ルールを変えると言う人だ。合意をするよりも実行に移す方が、より難しい。文書を作ることで関税引き下げが遅れるということを一番恐れている。何が一番国益に資するか慎重に考えた結果だ」と述べた。
