▽半導体に約100%の関税、トランプ米大統領表明<ロイター日本語版>2025年8月7日午前 7:01 GMT+9

半導体に約100%の関税、トランプ米大統領表明

[ワシントン 6日 ロイター] – トランプ米大統領は6日、米国に輸入される半導体に約100%の関税を課すと表明した。

ホワイトハウスで記者団に対し、新たな関税率は米国に輸入される全ての半導体に適用されるが、米国内での製造を約束した企業には適用されないと説明。

「米国に輸入される全ての半導体やチップに100%の関税を課す。しかし、(米国で)建設を約束している場合、あるいは多くの企業がそうであるように、(米国で)建設中の場合、関税は課されない」と述べた。

▽トランプ氏、対インド関税を50%に倍増-米ロ協議で事態打開せず<bloomberg日本語版>2025年8月6日 23:23 JST

Catherine Lucey

  • 国別関税に上乗せ、21日以内に適用-トランプ氏が大統領令に署名
  • トランプ氏、インドのロシア産エネルギー購入に不満を表明していた

米ホワイトハウスは6日、トランプ大統領がインドからの輸入品に対して25%の追加関税を課す大統領令に署名したと明らかにした。インドがロシア産エネルギーを購入していることへの措置だという。

  大統領令によれば、今回の関税は25%の国別関税に上乗せされ、21日以内に適用される見通しだ。これにより、対インド関税は2倍の50%となる。

関連記事:インドは関税引き上げを覚悟、経済的打撃の抑制に大慌て-当局者

  この発表の数時間前に行われたウクライナでの戦争を巡る米国とロシアの協議は、即時の打開策は見いだせずに終わった。インドのモディ首相は、米国から不当に標的にされていると訴え、ロシア産石油の輸入は経済を支えるうえで不可欠だと主張するが、トランプ氏には響いていない。

  トランプ氏は5日のCNBCのインタビューで、インドについて「戦争マシーンに燃料を供給している。インドがそうし続けるのなら、自分は不満だ」と語っていた。

  インド外務省の報道官は6日、トランプ氏の発表を「不公平であり、不当かつ不合理だ」と非難、政府は「国家の利益を守るために必要なあらゆる措置を講じる」と述べた。

Trump Hails Deepening India Ties With an Eye to Countering China
政権1期目に握手を交わすトランプ米大統領とモディ首相(2020年2月25日、ニューデリーで)Photographer: T. Narayan/Bloomberg

  米国とインドは数カ月に及ぶ交渉を続けたが、通商合意には至らなかった。その後、トランプ氏はインドへの態度を硬化させ、一方的に25%の国別関税を発表した。同氏はインドが米国製品に対するアクセス緩和を拒んでいると非難、主要新興国グループ「BRICS」への加盟も批判している。インドは、自国の農業および酪農産業を保護するため、とりわけ農産物の輸入拡大には消極的だ。

  トランプ氏の関税表明は、インドを中国に対する地政学的な対抗勢力として育てたいとの米国の長年の外交目標と真っ向から反している。これは、トランプ氏が政権1期目にモディ首相と良好な関係を築いていた時期からの大きな方向転換となる。

  また、ロシアとウクライナの停戦仲介に向けた取り組みが進展していないことにも、トランプ氏は不満を示している。同氏は8月8日までに停戦に応じるようロシアに求めており、応じなければ制裁を科す可能性があると警告している。さらに、ロシア産エネルギーの購入を思いとどまらせるため、購入国に対していわゆる「二次関税」の適用も辞さない構えを見せている。

  ロシア大統領府によれば、プーチン大統領とウィトコフ米特使の6日の協議は「シグナルのやり取り」にとどまった。

  ウシャコフ大統領補佐官(外交政策担当)は記者団に対し、「われわれからは、特にウクライナ問題について幾つかシグナルを伝えた」と述べたが、詳細には言及しなかった。「トランプ大統領からのシグナルも受け取っている」とも付け加えた。

  約3時間に及んだ協議について、ウシャコフ氏は「有益かつ建設的」で、米ロ関係の今後の展望も協議の対象になったと説明した。今後の対応は、ウィトコフ氏によるトランプ氏への報告を待って判断すると述べた。

原題:Trump Doubles India Tariff to 50% to Punish Russian Oil Buying (抜粋)

▽スイス大統領、関税引き下げの合意得られず米国を出発へ-関係者<bloomberg日本語版> 2025年8月7日 2:35 JST

Bastian Benrath-Wright

  • 先進国で最高の39%、7日午前0時1分に発効-アポなし訪問実らず
  • ルビオ国務長官との会談で新たな提案も、出発前の新合意は見込まず
Karin Keller-Sutter arrives at the US State Department in Washington, DC, on Aug. 6.
Karin Keller-Sutter arrives at the US State Department in Washington, DC, on Aug. 6. Photographer: Kent Nishimura/Bloomberg

スイスのケラーズッター大統領は、トランプ米大統領が打ち出した39%の関税を引き下げることに成功しないまま、ワシントンを後にする。事情に詳しい関係者が明らかにした。

  匿名を条件に語った関係者によると、ケラーズッター氏が率いるスイス代表団は、米国側に新たな提案を行った。それでも、米国出発前によりよい合意が得られるとは考えていないという。

  ケラーズッター氏は5日、先進国中で最も高い対スイス関税の適用を阻止すべく、急遽ワシントンを訪れた。関税率は先週トランプ氏が発表し、7日には発効予定のため、スイス側が説得に動ける時間は限られていた。

  航空機追跡サービスのFlightAwareによると、スイス代表団が搭乗する政府機はワシントンのダレス国際空港を現地時間6日午後6時10分に出発する予定。

  トランプ氏との会談は現時点で予定されていないと、ホワイトハウス当局者は説明した。

  関係者によると、ケラーズッター氏は6日、ルビオ米国務長官と会談した際に新たな提案を協議した。同氏はソーシャルメディアへの投稿で、スイスと米国の2国間協力や関税の状況、国際情勢を話し合ったと明らかにしたが、詳細には触れなかった。ルビオ氏は関税を巡る2国間合意を統括する役割を担っていない。

https://twitter.com/keller_sutter/status/1953114280464687384?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1953114280464687384%7Ctwgr%5Eb3434a9c3140a4dac7864862ce2950ce6d543b0a%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.bloomberg.co.jp%2Fnews%2Farticles%2F2025-08-06%2FT0KB0UGPL41100
Karin Keller-Sutter arrives at the US State Department in Washington, DC, on Aug. 6.
ワシントンに到着したスイスのケラーズッター大統領(6日)Photographer: Kent Nishimura/Bloomberg

  スイス政府はコメントの要請にすぐには応じなかった。

  ケラーズッター氏の意向に通じた関係者によると、同氏はいかなる犠牲を払っても米国と合意を結ぼうとは考えていない。

  米国とスイスの首脳が最後に話したのは、7月31日の電話会談だった。トランプ氏は米CNBCに対し、ケラーズッター氏について「感じのいい女性だった」と述べつつ、スイスの膨大な対米貿易黒字に関する自分の不満に「耳を傾けようとはしなかった」と振り返った。

  39%の対スイス関税は、米東部時間7日午前0時1分に発効する。スイス側は交渉が前向きに進展していると考えていたため、発表された関税の水準に衝撃を受けた。

  ブルームバーグ・エコノミクスの試算によると、39%の関税がスイスの全輸出品に課されれば、中期で同国の国内総生産(GDP)は最大で1%押し下げられる恐れがある。

  この報道を受けてスイス・フランはドルに対する上げを縮小し、スイスの食品大手ネスレの米国預託証券(ADR)は日中安値に下落した。

  米国との合意で最大の障壁となっているのが、昨年時点で380億ドル(5兆6000億円)に上るスイスの対米貿易黒字だ。主な要因は、金、医薬品、時計、医療機器だが、短期間での黒字削減は難しいとみられる。

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原題:Swiss President Set to Leave Washington Without Lower Tariff (1)、Swiss President’s Jet Set to Depart Washington at 6 pm: Tracker、Swiss Franc Trims Gains Against Dollar as No Tariff Deal With US(抜粋)

▽ブラジル、米関税巡りWTOに協議要請 「確約に明らかに違反」<ロイター日本語版>2025年8月7日午前 3:35 GMT+9

ブラジル、WTOに協議要請 米関税引き上げ巡り=情報筋

[ブラジリア 6日 ロイター] – ブラジル政府は6日、米国がブラジルに課した関税を巡り世界貿易機関(WTO)に協議の実施を要請した。

ブラジルは、米国が課した高関税は「WTOに対する中核的な確約に明らかに違反している」とし、WTOでの協議を通して問題を解決したい意向を示した。

米国はブラジルに対する関税率を50%に設定。トランプ米大統領は、ブラジルのボルソナロ前大統領がクーデターを企てたとして起訴されたことを「魔女狩り」と主張。ホワイトハウスは大統領令に関するファクトシートの中で、関税とボルソナロ氏の起訴を関連付けている。