
自民党は8日、参院選大敗の総括と今後の党運営を議題とした両院議員総会を党本部で開き、出席議員から石破茂首相(党総裁)の早期退陣や総裁選の前倒し実施を求める意見が相次いだ。これを受け、総裁選挙管理委員会(委員長・逢沢一郎氏)に対応を一任し、党則に従い総裁選を前倒しで実施するかどうかを検討することを決めた。
党則6条4項では、党所属の国会議員と、都道府県連の代表各1人の総数の過半数の要求がある場合は、総裁選を行うと規定している。逢沢氏は記者団に対し、選管として「議員や都道府県連の考え方を確認する」と語った。
その上で、逢沢氏は、条件を満たしていることが確認できれば「手続きとしては臨時の総裁選を行うことになる」と述べた。党内手続きの開始時期については、8月末をめどとする参院選総括の日程を考慮する意向を示した。
両院総会には253人が出席し、そのうち35人が発言した。石破首相は冒頭、参院選大敗について重ねて陳謝しつつ、日米関税交渉や農業政策、防災などの課題を挙げ「引き続き日本国に責任を持っていきたい」と述べ、続投への理解を求めた。続投期限には言及しなかった。
複数の出席者によると、非公開で行われた意見交換では、首相の早期退陣や総裁選の前倒しを求める意見が相次いだが、予定通り約2時間で終了した。

首相は総会後、総裁選の前倒しについて「党則にのっとって、きちんと運営するということに尽きる」と官邸で記者団に述べた。森山裕幹事長は総裁選管の対応は「議決ではない」と記者団に説明した。
両院総会は党大会に次ぐ重要な意思決定機関。7月28日の両院議員懇談会で「反石破」勢力が総会の開催を求めたことを踏まえ、執行部が同29日の役員会で開催を決めた。
