▽プーチン氏に合意の用意、2回目の3者会談「重要に」=トランプ氏

トランプ大統領「プーチン氏は合意望む」、15日の首脳会談控え

[ワシントン 14日 ロイター] – トランプ米大統領は14日、ロシアのプーチン大統領と15日に予定する首脳会談について、ウクライナにおける紛争の即時停戦の実現は不透明としつつも、「プーチン大統領が合意すると確信している」と述べた。

トランプ大統領はFOXニュース・ラジオとのインタビューで、対ロシア制裁の警告が、ロシア側の会談要請のきっかけになった可能性が高いとも述べた。

今回の会談は「2回目の会談への土台となるが、成功しない可能性も25%ある」とし、2回目の会談が実現するかどうかは保証されていないと述べた。

同時に、ウクライナのゼレンスキー大統領を交えた3者会談の開催地について3カ所を考えているとも明らかにした。アラスカでの開催が最も容易なシナリオだろうとし、プーチン氏との「会談の結果次第で、ゼレンスキー大統領に電話で連絡し、次の会談場所に呼ぶつもりだ」とし、「15日の会談では次の会談に向けた下準備を行う。次の会談はすぐに実現する。アラスカで開催されると期待している」と述べた。

3者会談では領土問題についてさらに深く掘り下げて協議される公算が大きいと指摘。「2回目の会談は極めて重要になるだろう。そこで合意が成立するからだ」とし、「境界線や領土などについて、譲歩が必要となるだろう」とも述べた。ただ、合意が実現するかどうかはプーチン大統領とゼレンスキー大統領次第とし、「私は彼らと交渉するつもりはない。彼らに交渉させるつもりだ」と強調した。

同時に、プーチン氏とゼレンスキー氏との間で和平が合意される可能性に楽観的な見方も表明。「より重要なのはわれわれが計画している2回目の会談だ」とし、「プーチン氏、ゼレンスキー氏、私自身に加え、可能なら何人かの欧州首脳による会談を想定しているが、欧州首脳が参加するかはまだ分からない。様子を見よう」と語った。

▽米ロ首脳会談に投資家は冷ややか、ウクライナ情勢の大きな進展期待せず<ロイター日本語版>2025年8月15日午前 7:46 GMT+9

By Marc Jones

15分前更新

[ロンドン 14日 ロイター] – 15日に行われるトランプ米大統領とロシアのプーチン大統領による首脳会談について、投資家の間ではウクライナ情勢の大きな進展が期待できるとの声は乏しい。

 投資家心理を反映するウクライナ国債は今月、米ロ首脳会談の開催が明らかになった時点で値上がりしたものの、その後はおおむね額面当たり0.55ドル近辺で伸び悩んでいる。

 新興国市場投資ファンドのグラマシーのアナリスト、キャスリン・エグザム氏は、ウクライナ国債の価格は今月に入って20%近く上昇したとはいえ、直近高値をなお大幅に下回っている点からは、市場の首脳会談への期待が限定的であることがうかがえるとの見方を示した。

 エグザム氏は「当事者双方(ロシアとウクライナ)による譲れない一線をしっかり保持されているように見えるので、意義のある進展を達成するハードルはかなり高い」と指摘。市場は長距離ミサイルとドローンなどの分野での「象徴的な停戦」を織り込んでいるが、最終的には状況を一変させる展開にはならないとみている。

This chart depicts the prices of the Ukraine GDP warrant issued 2015, Ukraine GDP-linked bond 2035, and Ukraine GDP-linked bond 2036
This chart depicts the prices of the Ukraine GDP warrant issued 2015, Ukraine GDP-linked bond 2035, and Ukraine GDP-linked bond 2036

 ロベコの新興国債券責任者を務めるディリアナ・デルチェバ氏は、トランプ氏が13日の欧州首脳とのオンライン会合でウクライナの安全保障へ関与する姿勢を見せたことは、ある程度の明るい要素だと評価した。

 それでもデルチェバ氏は、米ロ首脳会談で相当な成果が生まれる公算は乏しいと予想した上で「われわれは小幅のオーバーウエートにしてきた(ウクライナ国債のポジションを)中立に修正している」と説明し、これまではウクライナ情勢が好転するとみえても何も起きなかったケースがあまりにも多く、先読みが難し過ぎると付け加えた。

 複数の投資銀行の調査によると、機関投資家の大多数はウクライナ国債について小規模なオーバーウエートのポジションを構築している。ただ過去半年でオーバーウエートの比率はじわじわと下がってきた。

 グラマシーのエグザム氏は、トランプ氏が再三にわたってウクライナ問題で方針を変えてきたことから、投資家は慎重姿勢を維持していると述べた。

 ロベコのデルチェバ氏は、2月にトランプ氏がホワイトハウスでウクライナのゼレンスキー氏と口論になったことが影を落としていると分析。ゼレンスキー氏の扱われ方やトランプ氏の意見の豹変ぶりが目の当たりになり、投資家はトランプ氏の態度に信頼を置けなくなったと解説した。