▽プーチン氏、米アラスカ州訪問「非常に有益」 高官会議で説明<ロイター日本語版>2025年8月17日午前 10:52 GMT+9

[モスクワ 16日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領は16日、テレビ中継されたクレムリンでの高官会議で、トランプ米大統領と首脳会談を行った米アラスカ州への訪問について「時宜にかなって非常に有益」だったと述べた。
ウクライナ紛争については、ロシアは米国の立場を尊重しており、平和的な終結を目指していると語った。
また、ロシア外務省によれば、ラブロフ外相は16日にトルコ、ハンガリーの両外相と電話会談を行い、ロ米首脳会談の結果について説明した。
▽北部戦線の一部でロシア軍押し戻す=ウクライナ軍<ロイター日本語版>2025年8月17日午前 11:36 GMT+9

[キーウ 16日 ロイター] – ウクライナ軍は16日、北部スムイ州の戦線の一部でロシア軍を約2キロ後退させたと発表した。
ロシア側からのコメントは今のところ出ていない。
ウクライナの戦場マッププロジェクト「DeepState」によれば、ロシアは同州で200平方キロ強を支配している。
ウクライナ軍はフェイスブックで「ウクライナの兵士たちは敵を壊滅させ、われわれの集落を解放するため活発な戦闘行動を続けている」と記した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は声明で「今後数日間、ロシア軍はウクライナの拠点に対する圧力と攻撃を強め、協議に有利な政治状況をつくり出そうとする可能性がある」と述べた。
▽米ロ首脳、ウクライナ安全保証を協議と伊首相 NATO第5条がモデル<ロイター日本語版>2025年8月16日午後 8:10 GMT+9

[バチカン市国/キーウ 16日 ロイター] – イタリアのメローニ首相は16日、15日の米ロ首脳会談で、ウクライナへの安全の保証について話し合われたと述べた。
メローニ首相は「重要なのは、ロシアの新たな侵略を防ぐための安全の保証だ。(米アラスカ州)アンカレッジで最も興味深い進展があったのはこの点だ」と声明で述べた。
トランプ氏は、ウクライナへの安全の保証について、加盟国が1国でも攻撃を受けた場合、加盟国全体への攻撃とみなして反撃するとした北大西洋条約機構(NATO)条約第5条(集団防衛条項)に着想を得たイタリアの提案を強調したという。「この提案は、ウクライナが再び攻撃された場合に備えて、米国を含む全てのパートナーの支援の恩恵を受けられるようにする集団安全保障条項の定義が出発点だ」と述べた。
関係者によると、米ロ首脳会談後のトランプ氏と欧州首脳の電話会談では、ウクライナへの安全の保証に関し、NATO条約第5条に近い形の保証の可能性について協議された。欧州側は米国がどのような役割を果たすのか確認しようとしているが、詳細は不明という。
▽米露首脳会談 侵攻した国、利していいのか<中国新聞>8月17日(日)07:00
社説
米国のトランプ大統領がロシアのプーチン大統領と米アラスカ州で会談した。ロシアによるウクライナ侵攻開始後3年半で両国首脳が対面で会ったのは初めてだ。終了後の記者会見で共に前向きな評価をしたのは、最大の焦点である停戦合意に向けた進展がなかった裏返しだろう。
ロシアとウクライナの戦闘では今も多くの命が失われている。一日も早い停戦を実現させるべきだ。大国が「ディール(取引)」することがあってはならない。会談は米ロ首脳の融和ムードの演出ばかりが目立った。結果的に、侵略した側のロシアを利することになっていないか。
プーチン氏はウクライナへの軍事侵攻後、西側諸国の制裁を受け、国際社会から孤立してきた。戦争犯罪容疑で国際刑事裁判所(ICC)からは逮捕状も出ている。ICC非加盟の米国での会談は、プーチン氏にとって捕まる恐れがなく、好都合だったろう。しかもトランプ氏から破格の厚遇を受け、プーチン氏は世界に存在感を示せたと思っているに違いない。米国がロシアを無視できないことを印象づけたともいえる。
実際プーチン氏はトランプ氏と臨んだ会見で「非常に有益だった」と話した。ウクライナとの停戦については、「強い関心がある」としながら「ロシアの懸念が考慮される必要がある」などと、従来の主張を繰り返した。これまでも和平に関して、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟放棄の確約などを強硬に訴えてきた。
記者会見で2人が質問を受け付けなかったのも不可解だ。プーチン氏は「これ以上、市民を殺さないと約束するか」と問いただした記者に顔をしかめただけだった。
そもそもウクライナの頭越しに戦争犯罪が疑われる人物と取引しようというトランプ氏の姿勢はいかがなものか。プーチン氏に操られることなく、交渉を続けてほしい。
トランプ氏は会談後、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話協議した。ゼレンスキー氏が近く訪米し会談するという。トランプ氏は最終判断はウクライナに委ねるとし、「取引に応じるべきだ」と呼びかける。しかし現状でウクライナが停戦に応じれば、国土の約20%がロシアに実効支配されることになるだろう。
トランプ氏は、ロシアとの経済協力に関心を持っているようだ。しかし大国が互いの利益を優先し、ロシアが占領しているウクライナ領の引き渡しを認めるなど、侵攻されたウクライナに譲歩を迫るのは筋違いである。
ゼレンスキー氏は米ロ会談を受け、「戦闘終結に向けて努力するつもりだ」とする一方「プーチン政権にその意思はない」と批判した。「公正な平和を望む」との訴えは当然のことだろう。
ロシアのウクライナ侵攻でこれまで築き上げてきた国際規範が揺らいでいる。武力で他国を屈服させる動きは各地に飛び火しかねない。米国は世界の安全保障のためにも力による現状変更は認められないことを示す必要がある。
▽ウクライナ支援とロシアへの圧力継続、欧州首脳が共同声明<ロイター日本語版>2025年8月16日午後 7:26 GMT+9

[ベルリン 16日 ロイター] – 欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長、仏独伊英などの欧州の首脳は16日、15日の米ロ首脳会談を受けて共同声明を発表し、ウクライナへの支援を継続し、ロシアへの圧力を維持すると表明した。力による国境の変更はあってはならないと改めて表明した。
声明は、ロシアの侵略戦争の終結、公正かつ永続的な平和の実現に向けたトランプ米大統領の取り組みを歓迎するとした上で、次のステップはウクライナのゼレンスキー大統領が参加した協議であるべきとし、米・ロ・ウクライナ3カ国の協議に向け、トランプ、ゼレンスキー両氏と協力する用意があるとした。
ウクライナが主権と領土の一体性を守るためには、強固な安全保障の保証が必要だと指摘。米国が安全保障の保証を与える用意があるとのトランプ氏の発言を歓迎すると述べた。
ウクライナの軍事力や第三国との協力を制限すべきでなく、ウクライナのEUや北大西洋条約機構(NATO)への加盟の道筋にロシアは拒否権を行使できないと述べた。
▽メラニア夫人、プーチン氏に書簡 子ども連れ去りに言及<ロイター日本語版>2025年8月16日午後 9:05 GMT+9

[アンカレッジ(米アラスカ州) 15日 ロイター] – トランプ米大統領は15日会談したロシアのプーチン大統領に、メラニア夫人からの書簡を手渡した。ホワイトハウス高官によると、書簡は、ウクライナ戦争の中で拉致された子どもに言及しているという。
ウクライナは、ロシアによる侵略で、家族や保護者の同意なしにロシアやロシア占領地に連れ去られた子どもが数万人いるとし、国連条約のジェノサイドの定義に合致する戦争犯罪と非難している。
ウクライナのシビハ外相によると、ゼレンスキー大統領は16日にトランプ氏と電話会談した際、メラニア夫人に対する謝意を表明した。「これは真のヒューマニズムの行為だ」とシビハ氏はXに投稿した。

