▽ロシアの提案に同調したトランプ氏、ゼレンスキー大統領は領土割譲を改めて拒否…「憲法は取引を不可能にしている」
ウクライナ国営通信によると、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は17日、「ウクライナ憲法は領土の引き渡しや取引を不可能にしている」と述べた。18日のトランプ米大統領との会談でウクライナ東部ドンバス地方(ドネツク、ルハンスク両州)の割譲を受け入れるよう迫られても、拒否する姿勢を示したものだ。17日、ベルギーの首都ブリュッセルで記者会見するウクライナのゼレンスキー大統領(左)とフォンデアライエン欧州委員長=AP
15日の米露首脳会談で、ロシアのプーチン大統領は停戦の条件としてドンバス地方の割譲などを求めたと報じられた。トランプ氏はプーチン氏の提案に同調し、ウクライナに受け入れを求める構えを見せているという。
【地図】ロシア軍が進軍・制圧した地域
ゼレンスキー氏はブリュッセルで欧州連合(EU)のウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長との共同記者会見を行い、ロシアの侵略を巡る和平交渉に関し、「停戦し、最終的な合意に取り組む必要がある」と訴えた。トランプ氏との会談を前に、即時停戦後に和平交渉を行うべきだとする立場を改めて示した。米露首脳会談では、即時停戦ではなく和平合意を追求すべきだという点で一致したとされる。
一方、プーチン氏は17日、ベラルーシなど旧ソ連構成国の3首脳と相次いで電話会談し、米露首脳会談の内容を説明した。露大統領府は、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領が電話会談で「ウクライナ危機の解決に向けた措置を歓迎する」と述べたと発表した。露側が和平に取り組んでいると国内外に印象づける狙いとみられる。
露軍はウクライナへの攻撃を続けている。同国当局の発表によると、南部ザポリージャ州で17日夜、露軍の攻撃を受け子供1人が死亡、6人が負傷した。東部ハルキウ州では少なくとも8人が負傷した。ウクライナも対抗し、ニュースサイト「ウクライナ・プラウダ」によると、国境を接する露南部ボロネジ州の鉄道駅を無人機で攻撃した。露軍に弾薬や兵員を送る拠点となっており、鉄道の運行が一時停止したという。


