▽NATO制服組トップ、ウクライナ「安全保証」米主導で少人数協議=関係筋
[ベルリン/ブリュッセル 20日 ロイター] – 北大西洋条約機構(NATO)軍事委員会は20日、ウクライナ情勢を協議するためオンライン会合を開いた。関係筋によると、同会合終了後、ウクライナに対する「安全の保証」の選択肢を検討するために米ワシントンで少人数での協議が続けられている。
関係筋によると、協議は米軍制服組トップのダン・ケイン統合参謀本部議長が主導し、NATOに加する約6カ国の軍のトップが参加している。NATO軍事委員会のオンライン会合では安全の保証について詳細に議論されなかったため、まだ結論は出ておらず、ワシントンで行われている少人数の協議で検討された選択肢について討議するため、より広範な形式での会合が今後開かれる可能性があるという。
ただ、最終決定は政治指導者に委ねられるため、協議の期限は設定されていないとしている。
NATO軍事委員会のオンライン会合について、ジュゼッペ・カボドラゴーネ議長は「率直な議論」を行ったとXに投稿。「ウクライナに対する支援を確認した。公正で信頼性があり、永続的な和平が最優先事項であり続ける」とした。
▽ウクライナ「安全の保証」案、停戦後攻撃なら即対応義務付けを検討<bloomberg日本語版>2025年8月21日 2:28 JST
Donato Paolo Mancini
- 同盟国が24時間以内に-メローニ首相が提案、NATO加盟は排除
- 集団防衛に近い支援提供の枠組み、経済支援やロシア制裁など選択肢
ウクライナがロシアと停戦で合意する場合の「安全の保証」を巡り、欧州首脳が一つの選択肢として、ロシアに再び攻撃された場合、24時間以内にウクライナへの軍事支援を行うかどうかを決定することを同盟国に義務づける案を協議していることがわかった。
この案は、イタリアのメローニ首相が推進しており、事情に詳しい関係者によると、ウクライナのNATO加盟が不可能なことを前提にしつつ、次善の策として集団的支援の仕組みを提供することを目的としている。トランプ米大統領が、ウクライナへの安全の保証の支援に合意する考えを示したことを受け、欧州首脳は枠組みの策定を急いでいる。

匿名を条件に語った関係者によると、「NATOライト」とも呼ばれるこの案は、北大西洋条約第5条に定められた集団防衛には遠く及ばないものの、ウクライナと二国間協定を結んだ国々に対し、攻撃を受けた際には迅速に協議し、対応の決定を義務づける。
対応の選択肢には、ウクライナへの迅速かつ持続的な防衛支援、経済支援、ウクライナ軍の強化、ロシアへの制裁発動などが含まれる見通しだ。欧州各国が実際に部隊をウクライナに派遣することが含まれるかどうかは、現時点では明らかになっていない。
メローニ氏の提案が、議論でどのように位置づけられるのかは不明だ。イタリア政府はコメント要請に応じなかった。
欧州当局者らが検討する安全の保証枠組みの一つには、仏英両国が和平合意の一部として、部隊をウクライナに派遣する計画も含まれる予定だ。トランプ氏は、米軍兵士をウクライナに派遣することは否定したが、米国が航空支援を提供する可能性には言及している。
関連記事:ウクライナ安保協議進展、欧州は派兵検討-米は地上部隊派遣否定
原題:Meloni Offers Plan to Aid Ukraine in a Day if Russia Resumes War(抜粋)
