- クック理事への辞任圧力、FRB当局者発言、米PMI
- 米国とEUの共同声明、巨人ウォルマートに異変

マーケットで話題になったニュースをお届けします。一日を始めるにあたって押さえておきたい5本はこちら。
辞任圧力
米司法省当局者はパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長に書簡を送り、住宅ローンを巡る不正疑惑でクック理事への調査を開始する意向を示唆するとともに、理事に辞任を促すよう要求した。連邦住宅金融局のパルト局長が前日、住宅ローン契約を巡って不正があったとして、同理事を捜査するよう、ボンディ司法長官に書簡で要請していた。トランプ大統領はクック氏が自発的に辞任するか、パウエル議長によって解任されることを望んでいるという。だが、パウエル議長にクック理事を解任する権限はない。解任できるのは大統領のみで、その場合も「正当な理由」が必要とされる。
FRB当局者の発言
米クリーブランド連銀のハマック総裁は連邦公開市場委員会(FOMC)が明日22日に開催されると仮定して、自身は利下げを支持しないだろうと述べた。アトランタ連銀のボスティック総裁は、年内の利下げは1回となる可能性が高いとの見方をあらためて示した。カンザスシティー連銀のシュミッド総裁は、インフレのリスクは労働市場におけるリスクよりやや高いとしつつ、金融政策は良好な位置にあるとの認識を示した。一方、セントルイス連銀の前総裁で、次期FRB議長候補とされるジェームズ・ブラード氏は年内に1ポイントの利下げを実施すべきだと述べ、2026年には引き下げの余地がさらにあるとの見方を示した。
インフレ圧力
8月の米製造業購買担当者指数(PMI)速報値は、需要の強まりを背景に約3年ぶりの高水準に上昇した。一方、輸入関税の引き上げで総合PMIの販売価格指数は上昇。3年ぶり高水準に並んだ。サービス業でも販売価格指数が3年ぶり高水準に上昇。消費者が負担を強いられている状況が示唆された。インフレ圧力により利下げ見通しが弱まるとの懸念から米国株が下げる一方、米国債利回りとドルは上昇した。
貿易協定実現へ前進
米国とEUは貿易協定の概要を示す共同声明を公表した。先月の合意の進展を示すもので、自動車、医薬品、半導体を対象とするEUのセクター別関税の引き下げ履行に向けた具体的な基準が盛り込まれた。欧州車の関税引き下げについては、対米関税措置実現に向けたEUの法案提出が条件となる。鉄鋼とアルミニウムに関しても、新たな関税引き下げの可能性が開かれる見通しだ。米国とEUは大半のEU輸出品に米国が15%の関税を賦課することで合意。米国は7月の大統領令で、EUからの輸入品は15%を上限とすると明示していた。
巨人に異変
ウォルマート株が下落。4-6月期決算は増収だったものの、純利益が3年ぶりに予想を下回った。保険金請求や訴訟費用、事業再編コストの増加が利益を圧迫したという。利益が予想を下回るのは、小売りの巨人ウォルマートでは珍しい。同社はそれでも通期の売上高見通しを引き上げた。インフレと景気軟化を示すデータが懸念されているにもかかわらず、消費者の購買力が持ちこたえているシグナルとなった。
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