▽マスク氏の巨大ロケット計画に正念場、スターシップ10回目の飛行試験
Loren Grush
- テキサス州で日本時間25日午前8時半から打ち上げ予定
- スターシップは今年、爆発事故など苦難が続いている

イーロン・マスク氏率いる宇宙開発企業スペースXは24日、大型ロケット「スターシップ」の飛行試験を予定している。今年に入り爆発などが相次いだのを受け、今回の飛行は一段と注目を集めている。
同社はテキサス州にある拠点「スターべース」で現地時間午後6時半(日本時間25日午前8時半)に設定された時間帯に打ち上げを行う計画。飛行試験は通算10回目となる。
スペースXはスターシップの飛行試験を重ね、衛星打ち上げや将来の有人飛行に向けた準備を進めている。しかし、今年に入って最初の2回の飛行は数分で爆発し、3回目は試験用衛星の放出に失敗。6月にはエンジンの燃焼試験中に地上で爆発事故を起こした。

一連の失敗を受け、マスク氏が掲げる目標の達成に懐疑的な見方も広がっている。同社は試験と信頼性向上を支えるため、主力ロケット「ファルコン」開発チームの約2割を一時的にスターシップに振り向ける措置を取ったという。
関連記事:イーロン・マスク氏のスペースX、苦難続く「スターシップ」てこ入れ
同社は失敗を将来の打ち上げに生かす学習機会と位置づけている。ただ、年初から不振が続いたことを受け、今回の飛行試験には一段と成果を求める圧力が強まりそうだ。
宇宙分析会社ブライステックのカリッサ・クリステンセン最高経営責任者(CEO)は「成功すれば、過去1年の懸念はほぼ払拭される」と指摘。一方で「失敗すれば、さらなる厳しい目が注がれ、『一体何が起きているのか』という疑念を招くだろう」と語った。
スターシップは完全な再利用を目指すロケットで、マスク氏は将来的に人類を月や火星に送り届けることを目指している。

原題:SpaceX to Launch Starship Rocket Again After String of Setbacks(抜粋)
