▽米国は韓国に関税で譲歩示さず、北朝鮮問題や造船では協力-首脳会談
Heesu Lee、Jennifer A Dlouhy
- 韓国への15%関税、トランプ氏は現状維持とする可能性を示唆
- 北朝鮮の金正恩総書記と再度会談を行いたいとトランプ氏発言

トランプ米大統領と韓国の李在明大統領は25日に首脳会談を行い、北朝鮮問題や集団安全保障、造船分野に関して緊密に協力していくことへの楽観を示した。トランプ氏は一方、韓国との関税合意で追加的に譲歩する可能性については慎重姿勢を崩さなかった。
トランプ氏はホワイトハウスで李大統領を前に、「北朝鮮問題でわれわれは大きな進展を遂げることができる」と語った。
李大統領は、平和維持に向けたトランプ氏の取り組みや株式相場の上昇を称賛するなど相手を持ち上げる姿勢を示し、朝鮮半島の緊張を終わらせることに注力するよう要請。和平が実現した場合、北朝鮮にトランプ氏の名を冠した塔を建設することも可能だと示唆した。

しかしトランプ氏は、韓国からの輸入品に課す15%の関税については現状維持とする可能性を示唆した。
「彼らが再交渉したがっていると聞いているが、私は構わない。それで彼らが何かを得るわけではないが、私は構わない」とトランプ氏は述べた。
米韓はこれまで、韓国からの輸入品に対する関税を15%とすることで合意。韓国にとっては、トランプ氏が警告していた25%の関税を回避した格好だが、その後、米政府関係者は合意内容に不満を示している。
李大統領は訪米前、「米国側では合意が韓国に有利過ぎるとの見方が出ており、各省庁から修正を求める声も上がっている」などと述べ、今回の首脳会談が困難なものになる可能性を示唆していた。
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トランプ氏はまた、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記と再度会談を行いたいと発言。政権1期目に金総書記と2回にわたって開いた首脳会談で、両氏は「非常に仲良くなった」と話した。
トランプ氏はこの日の午前、李大統領との会談を前に、韓国の政情不安を厳しく批判していた。「韓国では何が起きているのか?まるで粛清か革命のようだ。このような状況下でビジネスはできない」とソーシャルメディアに投稿した。
その後、大統領執務室で記者団に対し、「過去数日間に、韓国の新政権による教会への非常にひどい強制捜査があった。われわれの軍事基地にも入り、情報を入手した」と聞いていると述べた。
トランプ氏は首脳会談の冒頭、強制捜査について李氏に問いただしたが、李氏の説明を聞くと「誤解に違いない」と引き下がった。
李氏の大統領選での勝利を祝福し、「われわれは100%あなたと共にある」とも語り掛けた。
造船分野では、トランプ氏が韓国から船舶を購入すると表明。李氏は米国内で韓国の造船事業を展開し、米国人労働者を雇用したいというトランプ氏の意向を認識していると応じた。
原題:Trump Hails South Korea Ties as Lee Looks to Ease Trade Tensions(抜粋)
