Naomi Tajitsu、Joumanna Bercetche

ゴールドマン・サックス・グループによると、米株式市場にとっての「ゴルディロックス(適温)の夏」は終わりを迎えつつある。米国の成長鈍化が鮮明になるに伴い、市場のボラティリティーが高まると同社は予想している。

  資産配分調査部門責任者のクリスチャン・ミューラーグリスマン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「9月は例年弱含みになりやすいが、今年は夏休み明けがかなり厳しいものになると思う。これまでのようなゴルディロックス的な勢いが持続できるかどうかは疑わしい」と語った。

  投資家が夏季休暇から市場に戻る時期に、市場は例年よりも大きな下押し圧力に直面する可能性が高いという。足元の相場は楽観ムードが支配し、リスク資産への資金流入が進んでいた。

  米国株の変動性を示すボラティリティー指数(VIX)は昨年12月以来の低水準に沈んでいたが、再び上昇に転じるとミューラーグリスマン氏は予想している。

  同氏は「ゴルディロックス的な勢いの原因は、米経済が好調だったことではない。実際には米国の労働市場は軟化している」と述べた上で、「企業業績、特に『マグニフィセント・セブン』や一部の金融株など、限られた銘柄が市場をけん引してきたことが主因だ」と指摘した。

  また、ボラティリティー低下を受けて投資家はヘッジの購入を控えてきたが、「いったん勢いが転換すれば、ヘッジ需要はすぐに戻る可能性がある」とし、「そうした観点からすれば、現時点でのVIX水準が将来も続くと考えるべきではない」と述べた。

原題:Goldman Says ‘Goldilocks Summer’ Ending as Growth Fears Mount(抜粋)